受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

郁文館中学校

2025年10月2日(木)

「夢教育」で学力・グローバル力・人間力を身につけ、「世界人財」を育成

 1889年に設立された旧制私立郁文館学校は、戦後に郁文館中学校・高等学校となってからも男子校としての歴史を歩んできましたが、2010年に男女共学校となりました。東京大学の本郷キャンパスに近い、教育機関が多く集まる文教エリアに立地しており、「子どもたちに夢を持たせ 夢を追わせ 夢を叶えさせる」という教育目的を実現するため、「夢教育」を実践しています。

 中1では「iP class【東大専科】」「グローバルリーダー特進クラス」「特進クラス」「進学クラス」の4種類のクラスが設置されています。中2・3では、難関国立大学・最難関私立大学をめざす「国立選抜Jr.クラス」が加わります。

 オンラインで行われたこの日の説明会は、校長の渡邉美樹先生による「夢教育」についての動画から始まりました。同校は「子どもたちの幸せのためだけに学校はある」という教育理念の下、大学進学をゴールとせず、25歳のときにどんな自分になっていたいかを考えさせる「夢教育」を実践しています。渡邉先生は「中学・高校で、将来の夢を設定し、大学で専門知識を学び、社会経験を積んでほしい。そして、25歳から先の人生を幸せに歩んでもらいたいという願いを込めています」と述べました。そのために、同校では「学力」「グローバル力」「人間力」の養成を重視し、それぞれに目標を設定しています。

 まず、「学力」については2029年度に東大級(THE世界大学ランキングTOP100位以内) の大学への合格者を30名輩出することをめざします。次の「グローバル力」とは、英語力だけでなく専門性を高めることも重視し、みずから夢を追い求める力をつけさせるということです。そして「人間力」とは、「困難な時代を生き抜く力」を養うのが目標ということです。渡邉先生は「本校では、一人ひとりの子どもたちの命に寄り添い、夢を育む教育を展開していきます」と語りました。

 次に、中学校教頭の渡邉烈士先生から「iP class【東大専科】」について詳しい紹介がありました。「iP class」のiPは「innovation(新創造)×Pioneer(開拓者)」の略で、「intellectual Property(知的財産を産み出す)」の略でもあります。また、校長の渡邉先生みずからが担任を務める「Ikubunkan Principal(理事長・校長クラス)」の意味も含まれています。予測不能な、これからの世界で生きていく今の子どもたち世代の社会的リーダーとなり、人々を幸せに導く価値・未来を創造する「世界人財」を6年かけて育成するのが目標です。

 このクラスの特徴は、東大をはじめとする最難関大学合格のために圧倒的な学習量を確保し、そのための学習環境を整えていることです。主要教科の授業数を多めに設定し、中2修了時には中学の学習内容を、高1修了時には高校の学習内容を終えます。高2からは実戦的な演習に入ります。春・夏・冬の長期休暇中の集中講習や高校生と合同の勉強合宿、海外研修などが行われます。それに加えて、みずからの夢の実現に向けた活動や、探究活動の成果としての卒業論文執筆なども行います。このように、大学入試までの6年間を見据えた教育プログラムを展開しています。

 さらに、論語や日本経済新聞を教材とした「iP class 校長HR」では、渡邉先生が生徒に直接講義を行います。世の中で何が起こっているかを知り、世界で活躍するために必要な人格や普遍的な価値観を養うためです。それと同時に、参議院議員も務めた渡邉先生による指導で、政治・経済を読み解く力を培います。

 2023年からは、郁文館夢学園140周年に向けたネクストステージプロジェクト「学力プレミア」が始動し、2029年に東大級の大学への合格者30名を輩出するという目標を掲げています。学力アップに特化した質の高い授業と、データやICTを活用した、ていねいで、生徒に寄り添った指導を行っています。東大をはじめとする最難関大学をめざす生徒のためのクラブ活動「東大クラブ」や、少人数制授業で学力を最大限に伸ばす「個別最適化学習」、生徒ひとり一人に合わせた学習計画表「個別戦略シート」の作成などを通じて、教員同士が情報を共有し、学校全体で生徒の夢をサポートしています。

イメージ写真 「東大クラブ」では、東大の研究室訪問、東大受験に特化した講演会や特別講習、勉強合宿などを行い、実力を磨きます

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