受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

細田学園中学校

2025年10月1日(水)

「好き」や「得意」を伸ばすdots(原体験)教育で、未来を切り拓く力を養う

 1921年に細田裁縫女学校として創立された細田学園は、100年以上の歴史を誇る伝統校です。1999年に共学化し、校名を細田学園女子高等学校から細田学園高等学校に変更しました。2019年には中学校を開校し、中高一貫校として先進的な次世代型教育がスタートしました。

 この日の説明会では、最初に校長の荒井秀一先生が登壇。「本校では『愛と奉仕』という建学の精神の下、100年以上にわたって“人間性を養う教育”を大きな柱としてきました。大学合格実績も順調に伸びていますが、生徒を勉強漬けにするのではなく、一人ひとりが将来の夢を見つけ、成長していけるような教育を展開しています」と語りました。また、受験を控えた小学6年生のお子さんを持つ保護者の方に対して、「遊びたい盛りに必死でがんばっているお子さんたちを、ぜひ優しく見守ってください。ご家庭の温かい接し方が、子どもたちの励みになります」とメッセージを送り、「本校を志望校の一つとしてご検討いただければ幸いです」と締めくくりました。

 続いて、教頭の山中聖子先生が大学への進学状況について説明しました。今春は高校からの入学生を含めると、東京大学・東京科学大学・防衛大学を含む国公立大学に15名、早慶上理ICUに49名が合格したそうです。また、今年は、中高一貫部の第1期生が卒業した最初の年でもありますが、その第1期生の57%がGMARCH以上の大学に進学しました。山中先生は「本校では、合格実績を上げるために、生徒にたくさんの大学を受験させるようなことはしていません。生徒一人ひとりが自分の好きなことを見つけ、夢に向かって努力する姿勢こそが、毎年の実績につながっているのです」と強調しました。

 同校では、現在の中高生が社会の中心で活躍する15年後、すなわち2040年を見据えた教育を展開しています。山中先生は「15年後は、社会の変化のスピードがさらに加速しているはずです。そうした時代に求められるのは、『好きなことや得意なことを伸ばし、社会に貢献する力』です。『大変そうだけど、楽しそう』と未来を前向きにとらえ、自分の力を発揮することが、社会を支える大きな軸になると考えています」と話しました。

 そのために同校では、「dots」教育を展開しています。これは「中高6年間の多感な時期に、たくさんのdots(原体験)を得るべき」という理念に基づくものです。授業・学校行事・部活動などを通じて多様な「人」「もの」「こと」に触れ、「未来創造力」「国際力・英語力」「人間力」を育てていきます。

 こうした力を伸ばすために、自分の「好き」や「関心」に出合えるような機会も数多く設けています。その一つが、文部科学省による教育課程特例校指定を受けて新設された「FDC(Future Design and Creation)プログラム」という独自の探究学習です。これは中2から週3回実施される必修の授業で、生徒が自分で選んだ課題にグループワークで取り組みます。これまで、廃棄予定のコスメ(化粧品)を使ったクレヨン作りや、江戸城の魅力を英語で発信する企画など、さまざまなテーマに挑戦してきました。さらに、年間3回実施される希望制のフィールドワークや、各学年での宿泊行事など、体験学習の場も豊富です。

 英語教育や国際交流にも力を注いでいます。中3の秋から高1の夏までの1年間は、アメリカ、カナダ、オーストラリアへの長期留学制度が用意されており、毎年多くの生徒がこの制度を活用して留学しています。また、高2の国際体験学習ではボストンとニューヨークを訪れ、ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学の講義を受講したり、現地大学生とディスカッションをしたりします。夏休みに実施する短期留学プログラムとして、フィリピンで10日間を過ごすイングリッシュキャンプもあります。こうして中高時代に海外での学びを経験したことがきっかkでで、卒業後は海外大学に進学する者も毎年いるそうです。

イメージ写真 東武東上線ほか「志木」駅から徒歩15分。JR「浦和」駅や「中浦和」駅からも路線バスが運行されています

www.hosodagakuen.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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