受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

安田学園中学校

2025年9月22日(月)

「Step To Two Hundred ~未来を見すえて~ 」をスローガンに、STEAM教育を推進

 安田学園の前身は、かつての四大財閥の一つ、安田財閥の創始者・安田善次郎翁によって1923年に開設された東京保善商業学校です。「実業界の有用な中堅人物の育成は、社会発展の基礎である」という創立者の遺志を受け継ぎ、これまで、実業界やスポーツ界にたくさんの人材を輩出してきました。長く男子校でしたが、2014年には中学・高校ともに共学化され、現在は、「誠実・明朗・奉仕」という校訓の下、調和の取れた人物の育成に努めています。また、難関大学合格をめざすカリキュラムを整備し、今春は国公立大学に過去最高の67名が、早慶上理ICU・医学獣医科には125名がそれぞれ現役で合格しました。

 この日の説明会では、最初に校長の稲村隆雄先生が登壇し、「今後のグローバル社会に対応するため、2012年から教育目標に『自学創造』を掲げています。生徒がみずから考え、学び、創造的学力と人間力を身につけ、グローバル社会に貢献できる人材に育つことをめざして教育活動を行っています」と語りました。

 東大など最難関国立大学への現役合格をめざす同校では、中高6年間を2年ごとに区切った3ステージ制を敷き、生徒の成長段階に合わせた指導を実践しています。年齢に応じたステージごとに、めざすべき学習指導の到達点を明示することで、仮説力・協創力・実行力・人間力・自己統制力を育てるためです。稲村先生は「人としての根幹となる力を6年間でしっかり育て、将来、地球規模の課題に取り組み、創造的に解決できるグローバルリーダーとして活躍できる資質を養います」と話します。

 また、今年度からは、従来のSTEM(Science・Technology・Engineering・Mathematics)に加え、芸術・文化・生活・経済・法律・政治・倫理などを含めた広義のA(Liberal Arts)を定義し、文系・理系の枠にとらわれない学びを推進しています。学んだことを実社会での問題発見・解決に活かしていくために、教科等を横断した学習を取り入れているのです。稲村先生は「探究授業をさらに進めるとともに、今年中に理科教室を新設します。数学の授業もさらに充実させていきます」と述べました。

 そして最後に、生徒たちが立てた2025年度のスローガン「Step To Two Hundred ~未来を見すえて~」についても紹介し、「このスローガンには、自分たちの夢の実現のために、日々の勉強やクラブ活動を一生懸命がんばろうという思いが込められています。今後の安田学園にご期待ください」と結びました。

 続いて、副校長の志田憲一先生が教育内容について説明しました。同校では、難関大学受験に対応する「学校完結型の学習環境」を整備しています。中1から高2の2学期までは、「自ら考え学ぶ授業」を核とした「学び力伸長システム」により、自学力(=基礎学力・自ら考え学ぶ力)を伸ばします。高2の3学期からは「進学力伸長システム」に基づき、自学力を土台に最難関国立大学入試にも対応できる現役進学力の伸長をめざします。

 グローバル教育では、英語4技能5領域を効果的に身につけ、グローバルコミュニケーション力を育てることに重きを置いています。今年の春休みには、高1・2の希望者を対象としたニューヨーク研修を実施しました。さらに、中3のニュージーランド短期留学の実施も報告されました。今年度からさらに注力するSTEAM教育の代表的プログラム「探究」の授業では、中1での自然科学探究などを通じて、継続的な成長と変化に対応できる力を育てます。

 2026年度入試に関しては、大きな変更はありません。詳細は発表されている募集要項をご確認ください。

イメージ写真 クラブ活動も盛んな安田学園。バレーボールクラブ・バスケットボールクラブのほか、生物クラブなど文化系クラブも輝かしい成績を収めています

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