受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

桜美林中学校

2025年9月13日(土)

モンゴルへのプロジェクト型海外研修など、国際教育プログラムが充実

 桜美林学園は、キリスト教宣教師・清水安三が、派遣先の中国で貧困に苦しむ子どもたちの自立を促すため、1921年に中国・北京に設立した「崇貞学園」を前身としています。建学の精神に「キリスト教精神に基づく国際人の育成」を掲げ、他者の痛みに共感できる人間、国際社会に目を向け、世界に貢献・奉仕できる人間の育成をめざしています。

 この日の説明会の冒頭、校長の堂本陽子先生は「これからのグローバル化社会において、諸外国の人たちを尊重しながら、一緒に学び、考え、新しくものをつくり出すことに、スクラムを組んで、本気になって取り組む姿勢が最も重要だと考えています」と語りました。同校では、教育の三本柱である「学習・部活動・行事(確かな学びと深い知恵)」「キリスト教教育」「国際理解教育」を実践し、生徒が「人間力(優しい心)」「協働力(コラボレーション)」「創造力(クリエイティビティ)」「批判的思考力(クリティカルシンキング)」「率先力(リーダーシップ)」を身につけることを目標としています。堂本先生は「これからの新しい社会の中で、自分の良さを発揮しながら、社会の人たちと新しい価値観を世界に発信していく人を育てていきたいと考えています」と続けます。

 その具体例として堂本先生が紹介したのが、今年度よりスタートした「グローバルリーダーシッププロジェクト」です。これは、2050年以降の社会と地球について考える学びで、「多角的に物事をとらえる視野を持つこと」「当事者意識を持つこと」をキーワードに、ドローンも活用してデータを集め、社会課題の解決をめざします。たとえば、大学教授を招いてのワークショップのほか、国土の砂漠化という課題を抱えるモンゴルを訪問して、PM2.5の観測を行っています。これは同校と、海外に8校ある姉妹校徒による共同学習です。最後に堂本先生は、「伝統に甘んじることなく、新しい課題に向かって、新しい世界を生きていく人を育てていくための新たなプロジェクトを、これからも展開していきます」と力強いことばで結びました。

 続いて、教頭の太田桃子先生が同校の「キリスト教教育」について、4月のイースターデー、6月の花の日礼拝、10月の収穫感謝礼拝の様子を写真と動画で紹介しました。そして、「本校では信仰を強制することはありませんが、キリスト教精神の良いところを基にした生活をして、社会に役立つ人間になってほしいとは思っています。それが、わたしたちの願いです」と語りました。

 「国際理解教育」としては、中3全員がオーストラリア・メルボルン郊外でファームステイなどを体験する研修旅行を実施しています。中2・3の希望者を対象としたシンガポール短期留学や、アメリカの姉妹校への文化交流訪問なども人気です。また、高1の希望者には選抜制ですが、オーストラリアの姉妹校への留学プログラムも用意されています。第二外国語として、中3から中国語やコリア語を学べるのも大きな特徴です。

 高校では、国公立大学をめざす「国公立コース」、最難関の私立大学を目標とする「特別進学コース」、難関私立大学進学を視野に入れた「進学コース」のいずれかに所属します。「国公立コース」からは、昨年、今年と、2年連続で東京大学への現役合格者を輩出しています。なお、同じ敷地内にある桜美林大学への進学者は、例年卒業生の約1割とのことです。

 最後に、入試広報部の平澤直寛先生から2026年度入試に関する説明がありました。募集人員に変更があり、「教科別入試」の2月3日午後(2科)が、これまでの15名から20名となります。また、「総合学力評価テスト」の2月1日午後の募集人員が、これまでの20名から15名となります。なお、午後入試については、1日、2日、3日とも、集合時間が14時30分と15時15分の2回あり、当日に都合の良い方の時間帯を選んで受験できます。詳しくは学校ホームページ掲載の入試要項をご確認ください。

イメージ写真 5万冊以上の蔵書を誇る図書館をはじめ、マルチメディア室や各種スポーツ施設など、充実した設備が魅力。同じ敷地内にある大学の施設も利用できます

www.obirin.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ