受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

東京家政大学附属女子中学校

2025年9月10日(水)

2025年度より新コース制がスタート。外部大学進学への支援も手厚い大学附属校

 東京家政大学附属女子中学校・高等学校は1881年に設立された和洋裁縫伝習所を前身とする伝統校です。東京裁縫女学校、渡辺女学校などを経て、1949年に現在の校名となりました。「自主自律」を建学の精神に掲げ、生活信条として「愛情・勤勉・聡明」の三つを大切にしています。「食育」を重視しており、四季を感じる食材を活用したスクールランチを提供していることで知られています。

 この日のオンライン説明会であいさつした入試広報部部長の笹原隆先生は、「東京都区部にありながら広大なキャンパスに、幼稚園から大学までがそろう、恵まれた教育環境の下で、きめ細かい学習支援を実施しています」と話しました。

 続いて、中学教頭の荒籾和成先生が、新しく始めた教育プログラムについて説明しました。同校では人生の通過点である25歳に注目し、理想とする自分像を描くために、これまで「自己理解」「社会理解」「目標進路の設定」を深めていくキャリア教育「ヴァンサンカン・プラン」を実施してきました。今年度からはこのプランを軸に、「未来ひろがる体験」「未来創造プログラム」「未来実現プログラム」という3本柱を有機的に結び付けた新しい取り組みを展開しています。

 まず、「未来ひろがる体験」では、海外プログラム・校外学習・文化的行事・生徒会活動・ICT活用・食育/健康教室といった「体験」を重視したプログラムを実施しています。二つ目の「未来創造プログラム」は、「グローバル・コンピテンス・プログラム(GCP)」と教科横断型の体験学習「Creative Learning」から成ります。このうち、経済協力開発機構(OECD)が提唱する枠組みに基づいて開発されたGCPは、「前例や答えのない課題を解決する力の育成」をコンセプトとしています。授業は中学で週1回行われ、ネイティブ教員がオールイングリッシュで指導します。生徒は自分という存在について考え、多様な価値観を持つ他者を尊重し、認め合う方法を学んでいきます。一方、「Creative Learning」は、複数の教科を横断して学び、知識と体験をつなげる探究的なプログラムです。大学附属校ならではの恵まれた環境を活かし、大学の施設や人材との連携を取り入れながら、生徒が主体的に学びを深めることを目指しています。

 そして、三つ目の「未来実現プログラム」について、荒籾先生は「大学の多様な選抜方式に対応するため、今年度から高校のカリキュラムを一新し、国公立大学・難関私立大学・海外大学をめざす『Super Advancedコース』と、多様な進路に対応する『Creative Learningコース』の二つに分けたコース制を導入しました」と説明しました。まず、「Super Advancedコース」の「SA(特別選抜)クラス」では、ハイレベルな授業を展開します。東京家政大学の推薦権を保持したまま、外部大学の受験にチャレンジできる「家政大学併願推薦制度」も利用可能です。一方、「Creative Learningコース」には、難関私立大学をめざす「CA(特別進学)クラス」と、東京家政大学進学を視野に入れながら私立大学進学をめざす「TKU(内部進学)クラス」が設置されています。高校の新コース導入に合わせて、中学は「Advanced(特進)クラス」と「Standard(進学)クラス」で構成されるようになりました。また、各クラスには、進路実現を支える「学びサポート」が用意されています。

 卒業後の進路については、現状では、卒業生の35~40%が東京家政大学に、50~60%が外部大学に進学しています。2025年度入試から東京家政大学への内部進学枠が拡大されており、2026年度は附属推薦枠として内部推薦は「199名+α」、併願推薦制度は「21名+α」となっています。「+α」は東京家政大学の2学環の新設により拡大された推薦枠で、より多様な進路選択が可能になりました。

 笹原先生は「各種SNSで情報を発信しています。緑苑祭(文化祭)などで実際にキャンパスを見学し、緑豊かで、伸び伸びと過ごせる本校の魅力を感じてください」と述べ、説明会を締めくくりました。

イメージ写真 JR埼京線「十条」駅から徒歩5分。2025年度より制服がリニューアルされました。スカートとスラックス、リボンとネクタイのどちらも選ぶことができます。2種類のチェック柄のオプションスカートがあり、一方は全校生徒による投票、もう一方は生徒プロジェクトチームが手がけたデザインだそうです

www.tokyo-kasei.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ