受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

品川女子学院中等部

2025年9月9日(火)

社会に貢献する女性を育てる
「28プロジェクト」を展開

 品川女子学院は、「社会で活躍できる女性の育成」をめざし、今からちょうど100年前の1925年に創設されました。説明会の冒頭、理事長の漆紫穂子先生は、設立母体となった荏原婦人会が、1923年の関東大震災の際に被災者支援を行ったことに触れ、「当時の『考えるよりもまず行動』『チームで協力して動く』『人の役に立つことを喜ぶ』という姿勢は、現在の生徒にも受け継がれています」と語りました。

 また、近年では、出産後もしっかり働く女性が増える一方で、男女の雇用格差が残っている現状に触れ、「女性だからこそ、スキルや資格など“学習歴”が必要なのです」と強調します。こうした考えから生まれたのが、卒業してから10年後を見据えた「28プロジェクト」です。これは、女性が自身のキャリアを築きながらも、結婚・出産を考え始める、女性の“分岐点”となる28歳を一つの節目として、生徒一人ひとりの人生設計を後押しする取り組みです。

 その内容については、中等部校長の神谷岳先生が説明しました。一つが「起業マインド」の育成です。これは「みずから社会の問題を発見し、多様な人を巻き込んで、問題解決に一歩踏み出す力」のことです。同校では企業や自治体の協力を得ながら、多様な特別講座や起業体験を実施しています。神谷先生はその一例として、新校舎の設計・デザインについて、施工会社に対して、30名の生徒有志がさまざまな提案を行ったことを紹介しました。

補習や講習、定期的な面談で
つまずいた生徒をしっかりフォロー

 続いて、学習指導や学校生活について説明したのは、高等部校長の権藤英信先生です。同校では選抜クラスを設けてはいませんが、英語や数学など学力差のつきやすい教科については中3以降、習熟度別授業を行っています。また、指名補習、成績優秀者向けの発展補習、長期休暇中の講習に加え、教科担当や担任との面談も定期的に行い、生徒が相談しやすい環境を整えています。その結果、2025年春は、卒業生の6%が国公立大学に、11%が早慶上理ICUに、17%がGMARCHに進学しました。医学部医学科へも現役で3名、既卒者を含めると5名が進学しています。

 グローバル教育に力を注いでいるのも特徴です。ニュージーランドを訪れる中3の海外修学旅行では、生徒全員がホームステイをして、現地校に通いながら異文化を体験します。高1では希望者を対象とした3か月~1年間の海外留学プログラムを設定しています。オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ、イギリス、カナダの姉妹校・提携校への留学では、留学中の単位の認定も可能で、帰国後は留年することなく進級できます。留学生の受け入れにも積極的で、英語の外部検定対策としての模擬面接や、ネイティブ教員による大学受験対策の個別指導なども行っています。

 三大行事の体育祭・文化祭・合唱祭は、生徒主体で運営されます。権藤先生は「実行委員は希望すれば誰でもなれるので、多くの生徒がかかわっています。主体的・積極的な姿勢が本校の魅力です」と語りました。

イメージ写真 2025年、大きな講堂や図書館などが入るA棟が完成。カフェテリアのほか、生徒たちの話し合いや交流のためのスペースも設けられています

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