受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

江戸川学園取手中学校【医科ジュニアコース】

2025年9月18日(木)

志を同じくする仲間と医学部進学に特化した学びを実践し、「心豊かなリーダー」を育成

 「生徒の夢は学校の目標」をスローガンに掲げる江戸川学園取手中・高等学校は、「心力・学力・体力の三位一体の教育」を実践する「規律ある進学校」です。中等部には「東大ジュニアコース」「医科ジュニアコース」「難関大ジュニアコース」の3コースを設置し、生徒の希望する進路に特化した質の高い教育を行っています。

 この日のオンライン説明会は中等部の「医科ジュニアコース」と、その接続先となる高等部の「医科コース」に焦点を当てた内容で行われました。初めに、医科コース長の熊代淳先生が医学部受験の基本と同校の実績について説明しました。医師国家試験の合格率は例年9割前後です。つまり、医学部医学科に入学すれば、医師への道がほぼ開かれるといっても過言ではありません。しかし、入試の難度が極めて高いため、他学部では減少傾向にある浪人生の入学者も医学部医学科では依然として多く、なかには現役入学者が半数に満たない大学もあります。また、入学後に留年することなく、医師国家試験にストレートで受かる学生は8割程度で、努力の継続が求められます。こうした状況を紹介した熊代先生は、「何より本人が医師になることを強く望むことが大切です」と語りました。さらに続けて、厚生労働省が定めた2022年度からの医学部の新カリキュラムでは、人間力・コミュニケーション能力・傾聴力などの「非認知能力」を身につけることが重視されているとも述べました。そのため医学部の乳歯では、学力に加えて面接による「人物評価」も重視される傾向が年々強まっています。熊代先生はこのことを踏まえて、「生徒たちには、自分の決意を学力で、そして、医師への適性を面接で示しなさいと伝えています」と話しました。

 「医科ジュニアコース」では、現役医師による医科講話、筑波大学附属病院のICU(集中治療室)見学、江戸取生を対象に行われる国際医療福祉大学のオープンキャンパス、東京科学大学医学科長による講演会といった、医師になる意義を考える機会が豊富です。また、「医科ジュニアコース」修了者が進む高等部の「医科コース」の独自科目「メディカルサイエンス」では、グループでの探究活動のほか、医学部入試を意識した面接・集団討論対策や小論文対策などを実施しています。これらは医学部医学科を志す生徒だけが集まる環境だからこそ実現できる、特徴的な授業です。来年度からは、中等部でも、大学教授による講話を含む「メディカルサイエンス」の授業が始まります。非認知能力のさらなる向上と、研究医学への理解のためです。

 学習面では、綿密なシラバスに基づいた授業を展開し、精選された必要かつ十分な教材を使用しています。熊代先生は「中高生活で体験したすべてのことが医学部入試に役立ちます。医学部受験の準備は、学校の授業と自宅学習で十分対応可能です。また、志を共にする仲間がいることは本校の最大の強みです。こうしたさまざまな取り組み、教育環境によって、生徒たちは医師になりたいという“あこがれ”を“決意”に変えていきます」と強調しました。

 高等部では、医学部を持つすべての大学について、合否データ・出題傾向・倍率・配点比率のほか、奨学金の有無も入念に調査し、本人の意思や保護者の方針を尊重しながら、生徒の力を最大限に生かせる大学への進学指導を行っています。その成果として、2025年度の医学部医学科への合格者数は既卒生を含めて112名となりました。これは全国第9位の実績です。

 続いて、中等部教頭・中等部募集部長の遠藤実由喜先生から、2026年度中学入試の変更点について説明がありました。まず、1月9日に新たな入試日が設けられ、入試は全部で5回実施されることになりました。また、適性型入試は12月13日の1回のみとなり、これまで必須科目だった英語リスニングが廃止されます。「4教科の配点と試験時間は増えますが、出題内容は従来どおりなので、過去問を参考にしてください」とのことです。最後に遠藤先生は保護者に向けて、「目先の点数に一喜一憂することなく、お子さんの可能性を信じて最後まで励ましてあげてください」と語り、説明会を締めくくりました。

イメージ写真 中1から高3までの希望者を対象に行われた、神奈川歯科大学での探究学習の様子。「世界一の人体標本」の見学、実際の医療器具を用いた手技体験など、生徒たちにとって充実した学びとなりました

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