受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

東京都立武蔵高等学校附属中学校

2025年9月5日(金)

みずから学ぶ姿勢と課題解決力を身につけた、国際社会に貢献できるリーダーを育成

 東京都武蔵野市にある東京都立武蔵高等学校は、前身である東京府立第十三高等女学校創立以来85年の歴史を持つ伝統校です。2008年に附属中学校を併設して中高一貫校となり、2021年には高校募集を停止して、完全中高一貫校に移行しました。「豊かな知性と感性」「健康な心と体」「向上進取の精神」の三つを教育目標に掲げ、「国際社会に貢献できる知性豊かなリーダー」の育成をめざしています。高い大学進学実績でも知られ、2025年春は国公立大学に62名(うち現役が56名)が合格しました。東京大学にも6名(同5名)が合格しています。

 オンラインで開催されたこの日の説明会で、校長の堀江敏彦先生は、三つのカリキュラム・ポリシーとして「学習したことを生かす力」「課題解決に取り組む力」「自らを社会に活かす力」を紹介しました。「しっかりとしたスケジュール管理の下で学び続けること、主体的かつ協働的に考えることを通じて、生徒たちには6年間かけて自分の将来をじっくり考え、夢を実現する力をつけてもらいたいと考えています」と語りました。

 中学の英語と数学では習熟度別授業を実施し、基礎・基本を確実に定着させます。定期テストの直前には、理解が不足している生徒を対象に補習も行っています。保護者の方から「宿題が多い」という声が寄せられることもあるそうですが、「基礎・基本を身につけるためには、家庭での反復は不可欠です。生徒は部活動や課題研究などで忙しいと思いますが、時間を管理して学習時間を確保すれば自主性も養われます」と説明しました。

 同校独自の取り組みとしては、SDGs(持続可能な開発目標)と関連したグループ研究・発表を通じて、主体的に深い学びを実践する探究授業「地球学」があります。中1から高1まで体系的に行われ、中1は基礎講座、中2は発展講座、中3は応用講座と位置づけられています。中1での「地域巡検」や「尾瀬サマーキャンプ」、中2での「結い体験学習(農業体験学習)」、中3での「修学旅行(関西方面)」などの学校行事とも連携しており、生徒は地球規模の課題について仮説を立て、グループ学習や探究活動を通して解決策を考えます。中3では、生徒が各国の大使となって「海洋プラスチック」や「気候変動」などをテーマに議論する「模擬国際連合」も開催します。こうした活動を経て、中3・高1の2年間で地球学・SDGs個人課題研究に取り組みます。その成果は最終的に研究論文としてまとめ、発表します。

 海外学校間交流推進校でもある同校では、「TOKYO GLOBAL GATEWAY体験学習」(中3)、「オーストラリア語学研修」(高1)、海外の英会話講師とマンツーマンで行う「オンライン英会話」(高2)など、身につけた英語力を発信する機会が多くあります。高校では翻訳ソフトを活用した英作文の授業も導入するなど、AIを活用した英語教育を推進しています。「中3で3割以上の生徒が英検®2級を取得する」ことを目標に掲げており、高2までに準1級合格レベルに達する生徒は8割以上に上ります。

 さらに、昨年度からは東京都教育委員会の「東京サイエンスハイスクール」指定校となりました。理数分野に興味・関心を持つ生徒の力を伸ばすため、Tokyoサイエンスフェア(「科学の甲子園東京都大会」および「研究発表会」)、各種コンテスト、学術学会などへの参加を支援しています。「国際科学オリンピックをはじめ、国内外のさまざまな学術系コンテストに挑戦し、優秀な成績を収めている生徒の活動を知って、本校を志望する受験生も多いようです」と堀江先生は話しました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

 このコンテンツは、公益財団法人 日本英語検定協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。

イメージ写真 JR中央線・西武多摩川線「武蔵境」駅から徒歩約10分。学習活動に加えて、学校行事や部活動も盛んで、生徒は充実した学校生活を送っています

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