受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

鶴見大学附属中学校

2025年7月18日(金)

「禅の教え」を学びながら、「どのような場所でも自分らしく輝く」ための土台を築く

 鶴見大学附属中学校・高等学校は、伝統ある曹洞宗大本山總持寺(そうじじ)を母体とする共学の中高一貫校です。約50万m²にも及ぶ敷地内に、總持寺をはじめ、鶴見大学や歯学部附属病院、短期大学部付属の三松幼稚園などもあり、緑豊かな落ち着いた学習環境です。なお、鶴見大学は文学部と歯学部のみということもあって、附属高校の卒業生のうち内部進学するのは、例年4~5%程度で、多くは他大学に進学しています。

 この日のオンライン説明会では、まず入試広報部の阿部未来先生より学校概要と教育内容についての説明がありました。建学の精神に「大覚円成 報恩行持(だいがくえんじょう ほうおんぎょうじ)」を掲げる同校では、仏教、特に禅の精神に基づく人格形成を重視した人間教育を実践しています。この建学の精神は仏教用語であるため、生徒には「感謝を忘れず真人(ひと)となる」とわかりやすく言い換えて広めているそうです。

 続いて、教育内容についての説明がありました。中学では、入学時から、学習以外のことにもチャレンジしたいという生徒を対象とした「進学クラス」と、学力をより高めたいと考える生徒を対象とした「難関進学クラス」に分かれ、生徒は自分に合ったペースで学習を進めます。そして、高校では「総合進学コース」と「特進コース」に分かれ、生徒一人ひとりが希望する進路を実現できるよう指導しています。ただし、入学時から卒業まで同じコースに在籍しなければならないということはありません。阿部先生によると「生徒の意向と成績・学校生活の様子などを加味して、変更も可能」とのことです。「中学入学段階で将来の進路が明確に決まっていない生徒は、在学中に模索して決定しています」と話します。

 続いて、阿部先生は、生徒が自己理解を深めながら学力を伸ばす“人としての成長”を後押しする要素として、「禅の教え」「教科エリア+ホームベース型校舎」「探究×教科横断型授業×AI」を挙げました。同校では、椅子に座って行う坐禅「黙念」を朝礼と終礼で実施し、生徒たちは毎日、静かに自分と向き合います。また、授業を受ける空間と、生活する空間を分けた構造の「教科エリア+ホームベース型校舎」を採用し、生徒は学校生活の中心となるホームルーム教室を拠点に、授業ごとに、学ぶべき教科エリアに移動します。阿部先生は「最初は移動を面倒だと感じる生徒もいるかもしれませんが、教科への意識を持ち、準備をしたうえでフロアや教室を移動するため、『学びに行く』という姿勢が育まれていきます」と強調しました。

 「探究×教科横断型授業×AI」は、授業で得た知識を活用する楽しさを伝える取り組みです。中学では理科・家庭科・社会の3教科を横断した「シルクプロジェクト」が行われ、生徒は蚕を育てて、繭から生糸を取る体験を通して学びを深めます。また、「つるふグローカル・カリキュラム」では、グローバルとローカルの両方の視点から思考を深める授業が企画されており、ドイツ人僧侶による講演会なども実施されています。

 最後に、広報部の福嶋健一先生から入試日程の説明がありました。例年どおり、「進学クラス」入試が2月1日午前と2日午前の2回、「難関進学クラス」入試が1日午後、2日午後、4日午前の3回、それぞれ実施される予定です。適性検査入試は1日午前です。福嶋先生は「出題傾向もこれまでと変わりません。過去問題を解く際には時間配分などに注意し、しっかりと対策をして臨んでください」とアドバイスを送りました。

イメージ写真 「教科エリア型校舎」なので、毎時間大学のように教室を移動して授業に臨みます。学業に対して主体的な姿勢を育むことができる校舎です

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