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学校説明会レポート
東京都立白鷗高等学校附属中学校
2025年8月5日(火)
探究活動で日本の伝統文化を深く学び、次世代を担うグローバル人材を育てる
1888年創立の東京府立高等女学校から数えて、今年で創立137年の東京都立白鷗高等学校に附属中学校が開校したのは2005年のことです。これにより、同校は都立校初の中高一貫校となりました。
この日のオンライン説明会で、校長の池戸成記先生は「本校は『開拓精神』という教育理念の下、『日本の伝統文化理解教育』『国際理解教育』『課題探究型学習』の三つの柱によって、世界で活躍できるリーダーを育成しようとしています」と教育方針を語りました。
まず、「日本の伝統文化理解教育」の例は、地域資源を生かしたプログラムが行われていることです。中1の「上野・浅草探索」では、ガイドと共に上野・浅草を探索した後、生徒自身が設定したテーマに基づくフィールドワークへと発展させます。学校設定科目の「日本文化概論」では、日本の生活文化を学ぶほか、茶道・華道・書道・囲碁・将棋・日本音楽史(実技を含む)のなかから2講座を選択して、日本の伝統・文化への理解を深めます。高1の総合探究では、浅草流鏑馬で的の管理を行ったり、鳥越祭で神輿を担いだりと、地域行事に参加しながら学びを深めていきます。
「国際理解教育」の例としては、中3の「海外研修旅行」や高2の「生徒が考える海外研修旅行」があります。このうち中3の「海外研修旅行」は、毎年、アメリカの西海岸に行きますが、高2の「海外修学旅行」は、生徒のプレゼンテーションによって行き先を決定します。池戸先生によると、2025年はトルコ、シンガポールを訪れるとのことです。なお、渡航費の負担が増してきていることなどから、今後数年は高2の「海外研修旅行」の行き先を国内に変更する代わりに、希望制海外プログラムの募集枠を拡大する案を検討しているそうです。
このほか、フランスの姉妹校で学ぶ海外短期留学(高1・2の希望者対象)、オーストラリアでの海外短期留学(中3~高2の希望者対象)もあります。また、東京都教育委員会の「次世代リーダー育成道場」という支援プログラムを利用する生徒も多く、例年10名前後が1年間、海外に留学しています。
英語教育にも力を入れており、現在、8人のネイティブ教員で指導に当たっています。一方、学校独自の英語の授業「HAPiE(Hakuo Academic Program in English)」では、英語でのエッセイ・論文の執筆に取り組みます。英語でプレゼンテーションを行えるレベルまで達することが目標とされています。また、中2・3では、第二外国語を必修科目として設置しており、フランス語・ドイツ語・スペイン語・中国語のなかから1言語を全員が選択します。選んだ言語の学習をさらに深めたい生徒は、高1~3で選択科目として履修できます。古文を英語に訳すなど他教科を英語で学ぶCLIL(クリル・内容言語統合型学習)も導入しています。こうした充実した学びによって、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)で A2(英検®準2級相当)以上レベルに達する中学生の割合は80%以上(全国高校生の平均は50%)となっています。
6年間を通して行う「課題探究型学習」は、中1の地域探究から始まり、日本・世界へと視野を広げながら探究に必要なスキルを身につけ、高2で個人論文を完成させます。東京大学推薦合格者を輩出している論文力もこの活動で培われています。
同校は、「GE-NET 20」(グローバル人材育成校)、「Tokyo-IBLハイスクール事業」「TIPS-Type3」(探究学習先進校)など、複数の指定事業を受けていますが、2024年度からは「東京サイエンススクール」の指定も受け、理数教育を強化しています。ブタの頭部解剖実習や、つくばサイエンスツアーなど、生徒が「わくわくが止まらない」と評価するプログラムが展開されています。池戸先生は「理系に特化するのではなく、裾野を広げるのが狙いです。その頂点を高くすることをめざしています」と述べました。
授業は月~金の45分×7時間制です。「辞書は友だち、予習は命」というスローガンの下、習熟度別に少人数での指導を行い、卒業生チューターによるサポート体制も整備しています。2025年春の大学合格実績(現役)は、国公立大学39名、早慶上理90名、GMARCH236名で、特にGMARCHの合格者数が伸びました。池戸先生は「都立や区立の中高一貫校は10校ありますが、それぞれすばらしい特色を持っています。本校の生徒たちの様子を実際にご覧になったうえで、志望校の選択肢に入れていただけたら幸いです」と結びました。
※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。
このコンテンツは、公益財団法人 日本英語検定協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。
部活動も盛んで、軟式野球部・バドミントン部・百人一首部などが活躍しています
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