受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

聖セシリア女子中学校・高等学校

2025年8月1日(金)

カトリックの精神を礎に、一人ひとりの個性と心を育み、確かな学力を築く

 聖セシリア女子中学校・高等学校の起源は、カトリックの敬虔な信者であり、真理の道を求め続けた教育者、伊東静江によって1929年に設立された大和学園です。カトリック精神に基づく宗教教育を基盤とし、「信じ 希望し 愛深く」の校訓の下、「幸せな人」となるための「心と力の調和」をめざす教育を行っています。各学年は4クラス編成、1クラスは約30名の少人数体制で、生徒一人ひとりの個性と成長にていねいに向き合っています。

 この日のオンライン説明会の冒頭、入試広報部副部長の青山萌香先生は「先生と生徒の距離が近く、学校で最も生徒が集まる場所は職員室です」と語り、職員室の様子を動画で紹介しました。通路に生徒があふれ、歩くのも困難なほどにぎわっていることがわかりました。

 同校は創立者の理念を受け継ぎ、「確かな学力」「こころの教育」「適切な進路指導」「安心できる環境」の四つの柱を掲げて、生徒が自分の未来を切りひらく力を育むことをめざしています。「確かな学力」を育てる取り組みとしては、オンライン英会話のほか、さまざまな国の留学生と英語でディスカッションや発表をする「グローバルワークショップ」や、昼休みや放課後に留学生と英会話を楽しむ「フリートークデイ」などがあります。中1・2が英語でミュージカルに挑戦する「イングリッシュエクスプレス」もその一つです。生徒たちは週1コマの授業で英語の台詞や歌を練習し、楽しみながら正しい発音や会話力・表現力・協調性を身につけます。そして、その成果は年2回のミュージカル上演で披露します。語学研修の機会も豊富で、福島県のブリティッシュヒルズで行う「国内語学研修」(中2)、Tokyo Global Gatewayで行う「イングリッシュ・キャンプ」(中2~高1の希望者対象)、2週間の「海外語学研修(カナダ)」(中3~高2の希望者対象)に加え、2024年からはカナダでの「ターム留学制度」(高1・2の希望者対象)も始まりました。

 また、同校では週5日・合計32コマの授業時間を確保し、学習指導をきめ細かく行っています。その具体例として、青山先生は、学習内容を記入して毎日提出する「レコーディングスタディ」(中1~高1)、オンラインで学習データを記録する「進路カルテ」、成績不振者をフォローする補習や春・夏の講習、長期休暇中の勉強合宿について紹介しました。希望者を対象とした「土曜講座」も年間50種類以上が開講されており、高大連携の取り組みも推進しているそうです。

 宗教教育や福祉活動を通じて豊かな情操を育むため、芸術教育にも力を注いでいます。歌舞伎、雅楽・京舞、オペラ、宝塚歌劇などを鑑賞し、日本と世界の伝統・舞台芸術に触れますが、これが「こころの教育」です。なお、同校にはクラシックバレエ部があり、放課後にはバレエ団の講師による本格的なレッスンが受けられます。例年、バレエを目的に入学する生徒が2割ほどいることも特徴です。

 「適切な進路指導」としては、6年間で延べ80時間以上のキャリアプログラムが組まれてることが挙げられます。生徒は自己理解を深めるところから始まり、さまざまな職業や働き方に触れながら、将来について具体的に考えます。生徒一人ひとりのやりたいことを尊重する方針で、成績だけで進路を判断することがないよう指導しています。その結果、文系・理系にとどまらず、体育系、被服系、芸術系など、幅広い分野の学部に進学しています。約29%の生徒が推薦制度を活用し、約46%が総合型選抜で合格しているのが特徴で、「こうした成果は、多くの体験の場を通じて、生徒が自分の可能性を広げてきたことの表れであると考えています」と青山先生は胸を張ります。

 卒業時のアンケートでは、全員が「入学してよかった」と回答しました。学校生活への満足度の高さがうかがえます。青山先生は、「本校には家庭的なぬくもりと安心感があり、生徒たちは居心地の良さを感じながら日々を過ごしています。学校への深い愛着と信頼が、次の世代の教育へとつながっていくのです」と結びました。

イメージ写真 小田急江ノ島線「南林間」駅から徒歩5分。または東急田園都市線「中央林間」駅から徒歩10分。卒業生のおよそ1割が芸術・体育系の学部に進学しています

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