受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

八王子学園八王子中学校

2025年7月22日(火)

高い教育力により、2025年春は大学合格実績が飛躍的にアップ

 八王子学園の前身は、1928年に市川栄作を中心とする地元有志によって設立された多摩勤労中学です。戦後の学制改革により、1948年に八王子高等学校が発足しました。新制の中学校を開校したのは2012年です。JR「西八王子」駅から徒歩5分の通いやすい立地も魅力の一つです。

 この日のオンライン説明会の冒頭、募集広報部部長の波平慎太郎先生は、2028年に迎える学園創立100周年に向けた改革について紹介しました。そのうちの一つが制服の刷新で、中学・高校とも、今年4月の入学者から新しい制服が導入されています。ブレザーを基本としながら、夏服・冬服といった区別をなくし、ポロシャツやハーフパンツ、セーター、ベストなどのアイテムを用意しました。気候や好みに合わせて自由に着用でき、ブレザーを含めて、すべて家庭で洗濯可能な素材を採用しています。もう一つは、食堂の改装とスクールランチの導入です。食堂の改装は3年後の2028年に完了予定ですが、スクールランチは今年の2学期から提供が開始されるため、保護者の方はお弁当作りが不要となります。

 次に波平先生は「学園モットー」「探究ゼミ」「戦略的な語学教育」「多様なクラス編成」の四つのテーマに沿って教育内容を説明しました。同校の「学園モットー(現スクールミッション)」は、「人格を尊重しよう」「平和を心につちかおう」の二つです。制定の背景には、太平洋戦争中の1945年8月2日未明の、アメリカ軍による八王子空襲があります。市街地の8割が焼失し、約450名が死亡したこの空襲では、学校も生徒・保護者も大きな被害を受けました。「この悲劇を二度と繰り返さないためにも、個性を認め合い、他者に寛容な心を育てる必要があります。そのような思いから、本校ではこの二つの学園モットーを大切にしています」と語ります。

 「探究ゼミ」は、10年前から始まったもので、生徒が自分で課題を設定し、調べ学習からプレゼンテーションまでを行います。1年間を前期と後期に分け、前期は学年ごとの大きなテーマを通して探究の基礎を学び、後期は学年を超えたゼミ形式で興味・関心を深く掘り下げます。

 「戦略的な語学教育」については、ネイティブ教員による英語の少人数授業が行われていることや、国際交流プログラムが充実していることを説明しました。「オーストラリア海外研修」には中3全員が参加し、ホームステイをしながら複数の現地校に分かれて学びます。また、中3までに英検®準2級の取得が目標とされていますが、その達成率は全国平均を大きく上回る約60%に達しています。

 そして、「多様なクラス編成」については、中学入試時点で「特進クラス」と「東大医進クラス」に分けて募集していることが説明されました。「特進クラス」から「東大・医進クラス」への移動は、成績に応じて年度ごとに可能です。さらに高2・3では、生徒それぞれの状況に応じてコースを自由に選択できます。

 進学実績も着実に向上しており、2025年3月は国公立大学に54名(現役48名)、早慶上理に99名(現役92名)、MARCHに295名(現役270名)の合格者を輩出しました。これは過去最高の合格実績です。波平先生は「中学段階で英検®準2級を取得した生徒が英語力にアドバンテージを持ったうえで大学受験に臨めたことや、きめ細かい進学指導ができたことがあります」と、その背景を語りました。

 そして、最後に2026年度の中学入試の概要が発表されました。「東大・医進コース」の合格点に届かなかった受験生も、入試での総合得点に応じて「特進クラス」にスライド合格する場合があるとのことです。波平先生は、「本校は多様性に富んだ環境で、部活動も盛んです。受験生対象の授業見学会では、実際の授業をご覧いただけますし、毎年、とても盛り上がる9月の八学祭(学園祭)も本校の雰囲気を体感できる機会です。ぜひ多くの方の来校をお待ちしています」と受験生にエールを送りました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

 このコンテンツは、公益財団法人 日本英語検定協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。

イメージ写真 高校には音楽系や美術系の大学をめざすコース、「文武両道」の「アスリートコース」などもあります。多様な生徒が集い、互いに刺激し合えることも同校の魅力です

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