受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

東邦大学付属東邦中学校

2025年7月3日(木)

「『自然・生命・人間』の尊重」の建学理念の下、社会に貢献する人材を育成

 東邦大学付属東邦中学校・高等学校は、医学部や薬学部など医療系を中心に5学部を有する東邦大学の付属校です。1952年に高校が、1961年に中学校が設立されました。卒業生の9割以上が国公立大学や難関私立大学、医歯薬系学部に進む、千葉県屈指の進学校として知られる同校は、プロセスを重視するリベラルアーツ型の幅広い学びを実践し、「高い倫理観を持って社会に貢献する人材の育成」をめざしています。

 この日の説明会であいさつに立った校長の松本琢司先生は、今年、創立100周年を迎えた東邦大学と共通の建学理念「『自然・生命・人間』の尊重」を紹介しました。そのうえで、「学校法人全体でめざしているのは、豊かな人間性と高い倫理観を持って、社会貢献できる人材の育成です」と語りました。その実現に向けて、同校では学習活動全般にリベラルアーツ型のカリキュラムを導入しています。また、行事や部活動に励むなかで、幅広い知識・教養と豊かな感性を養い、心身のバランスの取れた成長を図っています。

 松本先生はさらに、近年注目されている「非認知能力」の重要性にも言及しました。「学力を中心とした認知能力だけでなく、モチベーションを高く維持する力、粘り強く努力を続ける力、自分や他者を信じて、協働的に取り組む力なども育むことが大切です。こうした力を備えれば、AIが活躍する高度情報社会や、地球規模の課題が山積する現代を生き抜くために必要な総合的人間力が身につきます」と述べ、「本校は、その総合的人間力を培う場であり、自分探しの場でもあります。緑豊かな広々としたキャンパスで、ぜひそれを実現させてください」と結びました。

 続いて、広報部長の岡田美秀先生が教育内容について説明しました。同校は中高一貫教育によって生まれる時間的ゆとりを生かし、真に豊かな学力を備えた生徒の育成をめざしています。実験や実習を多く取り入れた「プロセス重視」の早期完習型カリキュラムを採用し、中学では幅広い知識と教養を身につけます。高2では、文系・理系に分かれ、それぞれ選択科目を履修し、希望する進路に合わせて学びを深めます。主要教科は高2までに高校3年間の内容を学び終え、高3は大学入試問題も扱う演習を中心とした授業で大学受験に備えます。

 大学付属校ならではの中高大連携プログラムも充実しています。その目玉の一つが「学問体験講座」です。そこでは、東邦大学の理学部・薬学部を訪問して、腸管の収縮を観察したり、錠剤の性質を調べたりして、本格的な学問に触れられます。特に、東邦大学医療センター佐倉病院で行われる医学部志望者対象の外科実習模擬体験「ブラック・ジャックセミナー」は、高い人気を集めています。

 宿泊を伴う校外学習は、各学年で毎年6月に実施しています。中2では、これまで農業体験を行っていましたが、今年から京都での歴史探究へとテーマが変更されました。また、今年の文化祭「銀杏祭」については、オンラインによる事前予約制が導入されることが発表されました。

 国際教育にも力を入れています。国内プログラムとしては、日本に留学している学生1人に対して生徒5人のグループを編成し、大量発話を可能にする中学生向けの英語プログラム「Power in ME」を実施しています。海外プログラムとしては、中3でのオーストラリア研修、中3・高1でのシンガポール研修があります。いずれも希望者対象です。

 東邦大学への特別推薦枠は全学部に用意されており、医学部には例年13~15名が進学しています。他大学への実績も好調で、2025年春は、国公立大学医学部医学科に10名、私立大学の医歯薬・獣医学部(学科)に合計138名が現役で合格を果たしています。

 2026年度入試は例年どおりの実施を予定しています。詳しい募集要項や最新情報は、学校ホームページでご確認ください。

イメージ写真 5万㎡を超える広大なキャンパス。今年春に校門のすぐ横に加わった土地を多目的広場として活用し、生徒たちの学びと交流の場を広げています。

www.tohojh.toho-u.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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