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学校説明会レポート
女子美術大学付属中学校
2025年7月5日(土)
美術を基幹としたリベラルアーツの学びで、多彩な分野で活躍できる力を育てる
1900年に「芸術による女性の自立」を建学の精神として創立されたのが私立女子美術学校(現・女子美術大学)です。1915年には女子美術学校附属高等女学校が開校し、これが現在の女子美術大学付属高等学校・中学校に発展しました。美術を通して「我が国の文化に貢献する有能な女性を育成する」ことをめざしています。
オンラインで開催されたこの日の説明会で校長の石川康子先生は、女子美生の特徴について「勉強・運動・読書・アニメが大好きな生徒たちです。一人ひとりが個性豊かですが、共通点が一つあります。それは『絵を描くことが好き、ものを作ることが好き』なことです」と語りました。そして、「『美術が好き』と自信を持って言えるお嬢さんなら、学校生活はきっと幸せな時間になるでしょう」と続けました。
かつては、保護者の方から「美術を学んで将来どうなるのか」と心配された時代もありましたが、今ではそのような声を聞くことはなくなったそうです。石川先生は「美術の力が社会に必要とされているのを年々実感しています。心を込めてものを見る力、それを表現する力、独創力、表現力、発想力、企画力だけでなく、これまでになかったニーズをゼロから生み出す力も育てたいと考えています。ぜひ学校説明会や女子美祭(文化祭)に足をお運びいただき、生徒たちの様子をご覧ください」と結びました。
次に、広報部主任の並木憲明先生が学校概要について説明しました。教育目標に掲げるのは、「智の美」「芸(わざ)の美」「心の美」です。特定の教科に偏らず幅広く学ぶリベラルアーツを重視し、知性と感性の両方を伸ばすカリキュラムを展開しています。また、さまざまな教科に美術の要素を取り入れた教科横断型の授業を実践しているのも同校の大きな特徴です。たとえば中学の数学では「折り紙で多面体を作る」、高校の化学では「好きな元素記号をキャラクター化してカードを作る」といった取り組みを行っています。「そうすると生徒たちは、苦手意識がある教科の授業にも積極的にかかわっていきます」とのことです。さらに、英語と美術を融合させたオリジナル授業「Art English」では、英語科の日本人教員とネイティブ教員とがチームティーチングで指導し、世界で通用する表現力を磨いていきます。
進路については、卒業生の約90%が美術系の大学・学部に進学していますが、そのうち84.4%は女子美術大学・同短期大学部への内部進学です。一方で、美術系以外の学部・学科を志望する場合は、高3の美術の授業(週10コマ)を受験に必要な科目の授業に振り替えられる「学科選択制度」があります。受講希望者が1人でもいる教科・科目はすべて開講され、多様な進路に対応できる体制が整えられています。
最後に、美術科主任の浜田涼先生が美術教育について詳しく紹介しました。校舎には美術室10室、CG室1室があり、中学絵画室や中学デザイン室など、中学生のための美術教室も完備しています。美術科には18名の教員が在籍しており、絵画、デザイン、工芸・立体など幅広い分野の専門家がていねいに指導し、生徒のさまざまな希望に応えています。中学では週4コマの美術の授業のなかで、風景画、静物画、工作、陶芸、染め物、木工などに取り組みます。高校では、高1は週7コマ、高2・3は週10コマと授業時間が増加します。高2以降は「絵画コース」「デザインコース」「工芸・立体コース」に分かれて専門性を深め、高3では、3月に東京都美術館で開催される卒業制作展に向けて、全力で作品の制作に打ち込みます。浜田先生は「このように、6年間をかけて楽しみながら着実に力をつけていきます」と語りました。
閑静な住宅街にある落ち着いた雰囲気の杉並キャンパス。自然光を多く取り入れた美術室やギャラリーがあり、日常的にアートと触れ合う環境が整っています
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