受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

文教大学付属中学校

2025年7月4日(金)

建学の精神「人間愛」に基づく教育を実践し、世界標準の社会貢献力を育成

 1927年創立の立正幼稚園と立正裁縫女学校は今日では小・中学校の教員養成に定評がある文教大学・大学院に加え、幼稚園・小学校・中学校・高校を擁する総合学園に発展しました。建学の精神に「人間愛」を掲げ、他者を我が身と思って接し、世界標準の社会貢献ができる人材の育成に努めています。

 この日の説明会では、初めに校長の神戸航先生が登壇し、生徒の成長を示す最近の事例として宿泊行事を紹介しました。今年度から内容を刷新し、現地体験をより充実させた「セブ島グローバル研修」(中1~高2の希望者対象)では、生活インフラが未整備の離島を訪れ、現地住民との交流を深めたそうです。神戸先生は参加した生徒の感想を紹介し、「劣悪な環境下にもかかわらず、楽しそうに暮らす子どもたちの姿に衝撃を受けた生徒も少なくなく、幸せの意味や社会貢献の在り方について深く考えるきっかけになったようです。なかには、『現地の人たちの思いに寄り添った“真の支援”がしたい』と、英語の勉強に熱を入れ始めた生徒もいます」と語りました。こうした体験は、社会課題への当事者意識を一気に高めるものであり、同校ではこれを「自分事化が加速する」と表現しています。神戸先生は「こうした姿勢は、生徒に、本校の建学の精神『人間愛』が根づいていることの表れと捉えています」と述べ、今後の展望についても説明しました。修学旅行も改革します。中学は「沖縄本島と八重山諸島」に、高校は「フィンランドとエストニア」「ブルネイとシンガポール」「台湾」の三つから行き先を選ぶ形式にそれぞれ変更し、生徒たちの「自分事化」をさらに加速させる内容とする方針だそうです。

 続いて、入試広報部長の千葉悟先生が教育内容と進路について説明しました。文教大学への内部進学は例年、卒業生の約1割とのことです。むしろ、近年は進学校としての評価が定着しつつあります。たとえば、2025年度の国公立大学、早慶上理ICU、GMARCH関関同立への合格者数は2023年度の約2倍になりました。医療系学部への現役合格者数も5名から23名へと大きく伸びています。

 その背景には、学びへの主体性を引き出す二つの教育プログラムがあります。一つ目は中1~高1を対象とした「グローバルコンピテンスプログラム(GCP)」です。ここでは、世界標準の道徳観と、グローバル社会で必要な知識・スキル・思考力をオールイングリッシュの授業を通して身につけます。二つ目は、中1~高2を対象とする探究プログラム「クリエイティブチャレンジ(CC)」です。中1・2は班や学級単位で、地元の品川区の社会貢献に取り組み、探究の手法や社会性を身につけます。中3以降は学年を超えた縦割りチームを組み、興味のあるテーマを深く探究します。

 こうした学びを支えるのが、学習塾と連携した自立学習支援システム「文教ステーション(B-ステ)」です。放課後は塾の講師が常駐して自習をサポートするこのシステムの利用は、中1~高1は必須です。中学生は午後7時30分まで、高校生は午後8時まで利用可能で、夏休みも利用することができます。さらに午後10時まではオンライン質問にも対応し、家庭学習も支援しています。千葉先生は「近年、本校では将来の夢や進路に明確なビジョンを持つ生徒が増えています。これは、こうした教育活動を通して主体性が育まれ、進学へのモチベーションが高まっているからです」と述べました。

 また、「GCP」で培った力を実践する場としての海外研修も充実しています。前述した「セブ島グローバル研修」をはじめ、導入(ファームステイ)・訓練(語学学校)・実践(現地校)の3段階で構成される「オーストラリア短期スタディツアー」(中3・高1の希望者対象)、オーストラリア・カナダ・アメリカへの中・長期留学(高1・2の希望者対象)を実施しています。長期留学では、現地の学校で取得した単位を同校の単位として認定し、留学前の学年に復学できる制度も整えています。

イメージ写真 「人生や社会という長い航海に向けて準備をする場所」という意味を込め、校舎は“PORT(港)”をコンセプトにデザインされています

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