受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

東京都市大学等々力中学校

2025年6月27日(金)

「高潔」「英知」「共生」の精神を身につけたグローバルリーダーの育成をめざす進学校

 東京都市大学等々力中学校・高等学校は、東急グループの基礎を築いた実業家・五島慶太によって1939年に創設された東横商業女学校を前身とする中高一貫の進学校です。2009年に現校名に変更し、2010年に共学部を開設しました。「noblesse oblige(ノブレス・オブリージュ)」という教育理念を掲げ、「高潔」「英知」「共生」の精神を身につけたグローバルリーダーの育成を目標とし、国公立大学や難関の私立大学に数多くの合格者を輩出する進学校としても知られ、今春は東京大学に1名、京都大学に2名、早稲田大学に33名、慶應義塾大学に19名がそれぞれ現役で合格を果たしています。

 この日の説明会に登壇した校長の草間雅行先生は、「『高潔』『英知』『共生』を体現する校風が、生徒会活動や学校行事にも深く根づいています」と話し、続けて、同校の魅力を三つの観点から紹介しました。一つ目は「創意工夫された教育システムと学習支援プログラム」です。朝のホームルームで実施される英単語学習や小テスト、放課後の補習、ICT活用型授業、理科実験などを通じて基礎学力を定着させているとのことです。自習室は中1~高2は夜8時まで、高3になると夜9時まで利用可能で、部活動が終わった後、仲間と学習できる環境が整っています。二つ目は「教員の熱意とチームワーク」です。同校の先生は、生徒が学習計画を書き込む「TQノート」の内容をていねいに確認し、きめの細かい指導を行っています。三つ目は、草間先生が「本校のいちばんの自慢」と強調する「生徒の躍動」です。「本校の生徒たちは当然、学習にしっかりと取り組みますが、部活動や行事に対する熱量も非常に高いと思います」と語るように、同校では多くの行事が生徒主体で行われています。また、「プレゼンテーション能力の高さも自慢の一つ」とのことです。今後の展開としては、最難関大学への進学をさらに後押しするカリキュラムの改革や、高3での進路別コース・クラスの導入を検討しているそうです。草間先生は「本校の良さを進化させつつ、わたし自身の経験を生かしながら、都市大グループ全体の発展に寄与したいと思っています」と結びました。

 続いて、副校長の落合敏郎先生が、同校の特色ある教育について説明しました。中高6年間を2ブロック・3ステージで構成したグランドデザインに基づき、中1・2は「共生」、中3・高1は「英知」、高2・3は「高潔」というテーマを設けており、行事などの内容に反映させているとのことです。中1のオリエンテーション合宿では、あいさつの練習を行いますが、あいさつを重視している同校ならではといえるでしょう。また、交友関係を広げるきっかけとして、手作り名刺の交換も行います。このほか、「TQノート」の書き方を中3の先輩から学ぶ時間も設けています。土曜日には「探究の時間」があり、中1では菜園づくりに挑戦します。そこでは、キュウリやダイコンを栽培しますが、まず、土づくりからスタートします。収穫物は自宅で調理し、一連の過程をレポートにまとめるそうです。

 最後に、2026年度入試について、入試管理部部長の岩倉精先生から説明がありました。2月1日午後の第1回S特選入試、2日午後の第2回S特選入試、3日午後の第2回特選入試(S特チャレンジ)では、これまでの4教科型(国語・算数・社会・理科)に加え、2教科型(国語・算数)が選択可能となります。また、試験時間にも変更があり、国語・算数はそれぞれ45分、社会・理科は合計50分になります。詳細は学校ホームページでご確認ください。

イメージ写真 2017年にオープンしたCLACルームは、同校のICT教育の拠点となる教室です。プロジェクターが7台あり、複数のプレゼンテーションを同時に行うことができます

www.tcu-todoroki.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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