受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

女子学院中学校

2025年6月19日(木)

キリスト教に基づく人間教育で
それぞれの賜物(たまもの)を磨く

 女子学院中学校・高等学校の起源の一つは、1870年に築地居留地内に創立されたA六番女学校にあります。それ以来、155年の歴史を持つプロテスタント系の女子校です。創立時から自主自律の精神を大切にし、豊かな人間性を育てることに力を注いでいます。

 SAPIX代々木ホールで行われたこの日の説明会は、サピックス教育事業本部本部長の広野雅明先生による入試分析から始まりました。広野先生は「女子学院は4教科各100点の均等配点です。他校に比べて理科・社会の比重が高いので、しっかり得点できるようにしましょう」と述べました。また、2026年は2月1日が日曜日に当たる、いわゆる「サンデーショック」の年で、同校の入試も翌2日に行われます。このため、例年よりも受験者が増えることが予想されますが、広野先生は「合格者も多めに出るので、最終的な合格ラインは大きくは変わらないのではないか」との考えを示しました。

 続いて登壇した学院長の鵜﨑創先生は、聖書にある「タラントンのたとえ話」を引用しながらキリスト教教育の理念を示しました。これは、主人から預かった財産(タラントン)を増やす努力をした使用人は称賛され、減らさないようにと土に埋めておいた使用人は追い出されてしまったという話です。「タラントンは英語の『才能』を表すことば“talent”の語源であり、預かった財産とは神から与えられた才能や素質を指しています。それぞれの賜物を磨いて、他者のために用い、社会に貢献していく人になることが本校の教育の目標でもあります」と述べました。

誰かが何かを言ったときは
否定せずにまず受け止める

 人間教育の一環として、「話し合う機会」が多く設けられているのも同校の特徴です。「中2ごてんば教室」「高3修養会」や、中高生有志が参加する「春の修養会」などでは、テーマに基づいた話し合いが重ねられます。鵜﨑先生は「本校では、誰かが何かを言ったときに、それを否定せず、まずは受け止めるのがルールです。守られている特別な環境だからこそ発揮できる、生徒の力の芽生えを大切にしたいのです」と話しました。また、中3の「戦争体験の聞き書き」、高1の希望者を対象とした「高1ひろしまの旅」をはじめとする平和学習や、さまざまな分野で活躍している人から話を聞く講演会など、多様な考えに触れる機会が多くあります。

 最難関大学への高い進学実績でも知られていますが、創立時から大切にしているのがリベラルアーツです。文系・理系の区別は設けず、生徒全員が共通のカリキュラムで学ぶことになっています。鵜﨑先生は、生徒たちに「遠回りをしてでも多くを学んだ経験が、役に立つときが来る」と説いているそうです。「基礎をしっかり学び、何事にも応用できるよう、体系化させる力を養います。『どこの大学を受けるのか』ではなく、『将来、どう生きるか』が本校の考える進路です」と述べ、説明会を締めくくりました。

イメージ写真 東京メトロ有楽町線「麴町」駅から徒歩3分の立地に建つ校舎。パイプオルガンの荘重な音色が響く毎朝の礼拝から一日が始まります

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