受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

桜蔭中学校

2025年6月16日(月)

桜の花とその蔭(かげ)の校章に込めた「願い」
社会人として活躍する土台を育む

 昨年4月に創立100周年を迎えた桜蔭中学校高等学校は、1924年に桜蔭女学校として創立されました。それ以来、建学の精神「礼と学び」の心を養う教育を実践し、社会の各方面で活躍する有能な女性を輩出しています。

 SAPIX代々木ホールで開催された説明会は、サピックス教育事業本部本部長の広野雅明先生による入試分析から始まりました。同校は日本でも最難関の女子校ですが、「4教科の合計点で合否が決まるので、一つくらい苦手なものがあっても、他の3教科で埋めることは可能」とのことです。

 続いて、校長の齊藤由紀子先生が同校の沿革と教育方針について話しました。同校は、東京女子高等師範学校(現在のお茶の水女子大学)の同窓会である桜蔭会が「今こそ理想の女子教育を実現し、社会に恩返しをしよう」と会員に寄付を呼び掛け、設立されました。桜の花と、その蔭を表現した校章には、「表舞台に出るばかりではなく、蔭で社会を支える堅実な生徒に育ってほしい」という願いが込められているそうです。「花として、その蔭として各界でがんばっている卒業生に対して心からのエールを送ります。これから入学する生徒には、将来、よき社会人として活躍するための土台を、中高6年間で育みたいと考えています」と語りました。

 そのために同校では、授業だけではなく文化祭・体育祭などの行事運営や、中1から高2まで全員が所属するクラブなどの課外活動も重視して、一人ひとりの成長を促しています。齊藤先生は生徒たちの様子をスライドで紹介しながら、「忙しい学校生活を送っていますが、その毎日はとても充実しています」と話しました。

知的好奇心が旺盛な桜蔭生
個性を互いに受け入れ、認め合う

 学校生活の内容は、教頭の井上瑞穂先生が説明しました。全学年が5クラス編成で、毎年クラス替えを行います。基本的には5人の担任と2人の副担任が担任団を構成し、3年間または6年間持ち上がりで指導するしくみです。日々の学習は基礎・基本を重視し、幅広い学力を身につけることをめざしています。6年間を通じて、個々のクラスでの席次は明らかにされませんが、この点について井上先生は、「他人との比較ではなく、自分自身が何をなすべきか考えてほしいのです」とその理由を語りました。ただし、国語・数学・英語は小テストを頻繁に実施し、担当教員が必要と判断した場合には、適宜補習を行います。一方、中学3年間の学びの集大成として自由研究にも取り組みます。各自が自由にテーマを決め、原稿用紙20~40枚の論文にまとめます。

 文系・理系によるクラス分けはありません。多様な進路をめざす生徒たちが同じクラスに所属しており、各自の選択科目に合わせてそれぞれが教室を移動して学びます。数学と英語については高2から2段階に分かれての習熟度別授業が行われますが、どちらのクラスで受けるかは本人の希望によります。

 井上先生は桜蔭生の特徴を「知的好奇心が非常に旺盛で、活発な人も物静かな人もいますが、基本的には真面目でがんばり屋さんです」とまとめました。「それぞれの個性をそのまま受け入れ、互いに認め合うところが本校の良さだと思います」と述べ、説明会を締めくくりました。

イメージ写真 2023年9月に完成した東館には、地下に温水プール、1・2階に高2・3の教室、3階に実験室、4階に体育館(アリーナ)があります

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