受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

鎌倉女学院中学校

2025年7月8日(火)

鎌倉の立地を生かした多様なプログラムで、グローバルに活躍する力を育てる

 鎌倉女学院中学校高等学校は、1904年に漢学者・田辺新之助によって鎌倉女学校として創設されました。「真摯沈着(しんしちんちゃく)」「尚絅(しょうけい)」の校訓の下、「宗教色をおびず、不偏中正の立場で、堅実な女子を養成し、日進の新知識を授けたい」という創立者の思いを大切にしながら、未来へとつながる教育活動を行っています。

 この日の説明会であいさつに立った校長の大野明子先生は、生徒の自由な思考や主体性を伸ばす多様なプログラムを紹介し、「昨年は創立120周年を記念して、生徒たちが学年の枠を超えたチームを編成し、自分たちのやりたいことを実現するさまざまなプロジェクトに取り組みました。本校では、こうした活動を通じて、入学される皆さんが将来社会で活躍する自立した女性へと成長できるよう、日々の教育に力を注いでいます」と語りました。

 続いて、英語科主任の齋藤里香先生が英語教育について説明しました。同校では、「Communicative」「Global」を柱に高い英語力を養い、世界で活躍する卒業生を数多く輩出しています。可能な限り英語で指導する「英語を英語で学ぶ」授業は、創立以来受け継がれてきた特色の一つです。「復習クイズ→新出事項の聞き取り・口頭試問→文字での確認→口頭練習・自己表現→宿題」というサイクルを繰り返し、「聞く・話す・読む・書く・発表」の4技能5領域をバランス良く伸ばします。齋藤先生は「オンラインを活用した英会話、ライティング、リーディングに加え、昨年度からはAI音読アプリも導入しました。このように、最新の学習法を積極的に取り入れています」と胸を張りました。さらに、海外への進学を希望する生徒に向けて、海外大学進学協定校推薦制度「UPAS(University Pathway Admission Service)」を活用するサポート体制も整えているそうです。鎌倉を訪れる外国人観光客との交流など、生きた英語に触れる機会があることも紹介しました。卒業までに生徒の約9割がCEFR B1(英検®2級レベル)以上を取得しており、スピーチコンテストや模擬国連といった外部での活動に挑戦する者も多いそうです。

 続いて、探究学習の一環として行っている同校独自の「鎌倉学」と「国際・環境学」について、社会科教諭の袴田久美子先生が説明しました。「鎌倉学」では中学3年間にわたり、地元・鎌倉の自然・地理・産業・歴史・文学を通して日本文化への理解を深めます。これを基盤に、中3からは視野をさらに世界へと広げた「国際・環境学」が始まります。中3では環境問題、高1では国際問題、高2では沖縄をテーマに探究活動を行い、高3になると、それまでに培った学びを進路実現へとつなげていきます。袴田先生は「このプログラムの特徴は、6年間一貫して行われる点と、学びのフィールドが鎌倉から日本へ、そして世界へと広がっていく点にあります。リサーチして課題を見つけ、本物を体験し、レポートにまとめて発表するというステップを重ねることで、大学や社会で必要となる力が身につきます」と強調しました。

 こうした教育の成果が表れ、今年3月に卒業した163名のうち、国公立大学に16名、早慶上理ICUに25名、GMARCHに32名が進学しています。理系志望者も増え、医・歯・薬・看護・獣医学部などに進んだ卒業生も23名います。探究学習により高まったプレゼンテーション能力を生かし、総合型選抜で大学に合格して進学する者も大きく増加しているとのことです。

 2026年度の一般入試は、日程および回数に変更があり、2月1日午前・2日午前・3日午後の3回の実施となります。また、1日午前と2日午前には「英語入試」が新設されます。国語・算数の筆記試験と英語での面接を課す「英語力型」と、英語資格を100点満点に換算し、国語・算数の筆記試験との合計点で判定する「英語資格型」の二つの方式が設けられます。なお、詳細については10月以降に公表される予定です。学校ホームページ等でご確認ください。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

 このコンテンツは、公益財団法人 日本英語検定協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。

イメージ写真 120周年記念のプロジェクトの一つとして、生徒の発案によるカフェコーナーを校内の一角に設置。自販機のメニューや内装の選定、利用の際のルールづくりも生徒が主体となって行いました

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