受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

森村学園中等部

2025年7月5日(土)

伝統に「進化」と「深化」を加え、生徒の進路実現を叶える学園に

 建学の精神に「独立自営」を掲げる森村学園は、1910年の創立以来、「人徳を備え、自らの力で人生を切り拓き、世界の力、社会の力となる人材の育成」をめざしてきました。幼稚園から高等部までを擁する約8万㎡の緑豊かなキャンパスは横浜市緑区長津田町に位置し、生徒たちはそこで伸び伸びと学校生活を送っています。

 この日、あいさつに立ったのは、今年4月に校長に就任した岡真由美先生です。同校の教育活動を通して生徒に求めたい力として、「情報を鵜呑みにせず考え抜く批判的思考力」「課題を見つけグローバルな視点で解決する自己学習能力」「他者と深く理解し合うコミュニケーション能力」の三つを挙げました。

 これらを養うために実践しているのが、オリジナルのキャリア教育とグローバル教育です。同校の創立者は、明治・大正期にかけて、日米貿易の先駆者として活躍した実業家の森村市左衛門ですが、キャリア教育のロールモデルはこの森村翁であり、その目的はソーシャル・アントレプレナーシップ(社会問題を解決することを目的とした起業家精神)を備えた次世代型の人材の育成です。そこで、中1では「創立者森村市左衛門研究」を、中2では「職業研究」を、中3では「自由課題研究」を行い、より具体的なキャリアビジョンへとつなげます。グローバル教育としては、中3の全員が参加する「オーストラリア修学旅行」をはじめとする、多彩な海外研修や、多言語・多文化講座があります。これらを通じて、創立者がめざした「世界に伍す若者の育成」を具現化しています。岡先生は「本校がこれまで紡いできた伝統を大切にしつつ、そこに『進化』と『深化』の実践を加え、生徒の夢をかなえる学園でありたいと考えています」と力強く語りました。

 次に、入試広報部長の浅沼藍先生が、同校の教育の概要について説明しました。「アカデミックマインド」を育てる取り組みのなかでも特に力を入れているのが「ランゲージ・アーツ(言語技術)」です。これは、欧米で浸透している母語教育手法を基盤としたプログラムで、中等部全学年で週2時間、連続授業を実施しています。本や映画の構造を分析したり、議論やディベートの技術を学んだりして、大学入試以降も役立つ汎用的な言語力を育成します。「ランゲージ・アーツ」担当の花村友美子先生も「ここで身につけた表現力・論理力を武器に、2025年度は筑波大学の推薦入試や金沢大学医学部の入試を突破した卒業生もいます。これらの力は大学のゼミや就職面接でも有効であり、最終的には社会の中で必要とされる力につながります」と話しました。

 「グローバルマインド」を身につけるためには、さまざまな海外研修があります。前述の「オーストラリア修学旅行」(中3)のほか、希望制の「カナダ研修」(中2~高2)と「シンガポール・マレーシア研修」(中3~高2)、選抜制で奨励金付きの「ターム留学(オーストラリア)」(高1・2対象)などです。また、海外大学をめざす生徒向けには、オンラインでアメリカの高校卒業資格が取得できる「US Dual Diploma Program」や、「海外大学進学協定校推薦制度(UPAS)」も整備されています。

 最後に、2026年度の一般入試について説明がありました。日程は2月1日午前、2日午前、4日午前の計3回です。すべて2科目・4科目の選択制で、4科目選択の場合は「4科目の合計を200点満点に換算した得点」または「国語・算数の合計得点」のいずれか高いほうを使用します。浅沼先生は「受験型ごとの合格枠、男女別の合格枠は設けていません。力を公平に見ますので、ぜひ挑戦してください」と締めくくりました。

イメージ写真 校舎内のガレリア。地下1階から地上3階までが吹き抜けとなっており、自然光が差し込む明るい空間となっています

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