受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

香蘭女学校中等科

2025年6月6日(金)

神様から与えられた賜物(たまもの)を磨き、違いを認め合いながら共に生きる喜びを知る

 香蘭女学校は、1888年に英国聖公会の宣教師エドワード・ビカステス主教によって創設された、キリスト教に基づく女子教育を行うミッションスクールです。東急大井町線・池上線「旗の台」駅から徒歩約5分の閑静な住宅街にあるキャンパスには、小川や池を配した緑豊かな築山があり、四季折々の花を楽しむことができます。

 説明会の冒頭、今年4月に校長に着任した佐藤忠博先生が、同校が掲げる三つの教育理念について説明しました。最初は「祈りのうちに自らを育む」です。これは、一日の学校生活が祈りに始まり、祈りに終わることや、チャペルでの礼拝や聖書の授業、奉仕活動などを通して、キリスト教の精神を学ぶ姿勢を重視していることを表しています。二つ目は「薫りをはなて とりどりに」です。この理念について、佐藤先生は「本校は『自らの賜物を磨く』『共に生きる喜びを知る』という二つの教育目標を掲げていますが、どちらも『自らの賜物を磨く』につながります。すべての人には、神様からそれぞれ異なる賜物が与えられていますが、その存在に気づき、磨いていくことが、学校生活での大切な学びなのです」と力説しました。そして、三つ目の理念である「『いのち』に寄り添い、慈しむ」は、「共に生きる喜びを知る」という教育目標の基盤となっています。これは、互いの違いや、それぞれの賜物を認め合い、支え合うなかで、個人としても集団としても成長していくことを意味しています。佐藤先生は「校長になって感じたのは、本校にはみずから賜物を磨いている生徒がたくさんいるということです。そうした生徒にあこがれて、下級生が学校を好きになる雰囲気が本校にはあります」と語りました。

 次に、入試広報室長の桜井千枝先生が教育内容や学校生活について説明しました。まず、同校が創立当初から力を注いでいる英語は、中学では週6時間設定されています。このうち週3時間の「英語Full」では、検定教科書を使い、音読トレーニングや問題演習で基礎を固めます。次に、週2時間の「英語Half」ではクラスを2分割し、ネイティブ教員が単独で、または日本人教員とのチームティーチングで授業を行います。そして週1時間の「総合英語」では、日本人教員が多読やスピーキングを指導します。このように、生徒たちは多様なアプローチを経験しながら、4技能をバランス良く身につけられます。

 国際交流や、希望者を対象とした海外研修・留学プログラムも充実しています。カナダのプリンスエドワード島で学ぶ「カナダ短期語学研修」(高1・2)、「カナダ中期留学」(高1)、「カナダ長期留学」(高1)、夏休みに実施される約2週間の「英国語学研修」(中2~高1)、立教英国学院に籍を移す「立教英国学院編入」(中3~高1)などがあります。昨年度からは、立教英国学院主催でイギリスのケンブリッジ大学に12日間滞在する理系プログラム(4~5名)も始まりました。

 学習支援も手厚く、高3生が中等科の課題をサポートする「学習会」、長期休暇中や放課後の補習、大学受験に関連した小論文や個別面接の指導などが行われています。また、平日は夜7時、土曜日は夕方5時まで自主学習室(Study Hall)が開放されるなど、集中して学習できる環境が整っています。

 学習以外の活動も多彩で、「ヒルダ祭」と呼ばれる文化祭、運動会、120年以上続く伝統のバザー、ボランティア活動などが盛んですが、なかでも特徴的なのが、高3生が入学したばかりの新入生の学校生活のお世話をする「BIG SISTER制度」です。生徒はいろいろな人たちと協力し合うなかで、豊かな人間性を育んでいます。

 同じ「日本聖公会」に属する立教大学や聖路加国際大学との高大連携プログラムも充実しています。両大学への推薦入学制度も整備され、立教大学には、学則定員の100%に当たる160名が進学可能です。なお、出願に当たっては、「高等科3年間の評定平均値が3.5以上」であることと、「CEFRのB1レベル(英検®2級相当)以上」の英語力があることが条件とされるそうです。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

 このコンテンツは、公益財団法人 日本英語検定協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。

イメージ写真 約30のクラブが中高合同で活動中です。中学生のほぼ全員が何らかのクラブに加入しているそうです。なかでも、ガールスカウト部が有名です

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