受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

藤嶺学園藤沢中学校

2025年7月18日(金)

仏教精神と日本文化を軸とした教育で、国際社会で自信を持って活躍できる男子を育成

 藤嶺学園藤沢中学校・高等学校は、時宗総本山・清浄光寺(遊行寺)の僧侶養成機関「時宗宗学彬」を前身とする仏教系の男子伝統校です。「勇猛精進・質実剛健」を建学の精神とし、「時代を切り開くことができる逞しい男子の育成」を教育目標に掲げています。

 この日のオンライン説明会では、校長の林学先生がまず、「登下校時に遊行寺の本堂に向かって一礼する習慣」に触れ、「生徒たちは『阿弥陀さまに守られている』という安心感を得て、たとえ壁にぶつかっても、『やってみよう』というチャレンジ精神を持って臨めるようになります」と話しました。

 同校では、中学の定員を1クラス35名×3クラスに抑えて、「生徒一人ひとりに目の行き届く教育」を展開しています。高校からは35名×3クラスの105名程度が新たに入学します。ただし、中学からの内部進学生は「一貫コース」に属し、高校から入学した生徒とは別のクラスとなります。また、一貫コースでは、高1から選抜クラスが編成され、高2進級時に、高校からの入学生の一部が合流します。

 教育の柱に据えているのは、「仏教」「茶道」「剣道」「陶芸」などの日本文化と、「グローバル」「探究」「ICT」の3領域です。「国際社会で活躍するためには、日本人としてのアイデンティティーを確立することが大事」という考えから、中1~高2の5年間にわたって、茶道と剣道を必修としています。茶道を学ぶのは、品格を向上させるとともに礼儀を体得し、おもてなしの心を養うためです。その集大成として、中3では「卒業茶会」を、高2では「修了茶会」を開催します。「修了茶会」では生徒は陶芸の授業で作った茶器でお茶を点て、保護者に振る舞います。中3では、同校のルーツである時宗の開祖「一遍上人」が悟りを開かれたといわれている熊野本宮大社を訪れ、熊野古道や熊野三山を巡る「熊野研修旅行」を実施します。林先生は宗教教育について「濃くもなく、薄くもなく取り入れています」と語りました。

 続いて、入試対策部長の間藤大介先生が学校生活について説明しました。在校生の多くが東海道線もしくは小田急江ノ島線を利用していますが、「藤沢駅に8時に到着すれば、8時30分の登校に十分間に合います」とのことです。

 探究学習も盛んで、発達段階に合わせたテーマが学年ごとに設定されています。中1では「横浜自主研修」、中2では「東京自主研修」に取り組みます。中3では、自身が関心を持った事柄について1年間かけて研究し、その内容を「卒業研究レポート」にまとめます。間藤先生は「卒業研究は2週間に1回、教員のサポートが受けられます。中学3年間の集大成として一人ひとりが興味を持った多様なテーマが選ばれています」と話しました。

 学習サポートも手厚く、自学自習プログラム「TASL(Tohrei After School Learning)」を月曜日から金曜日までは夜7時まで、土曜日は夜6時まで実施しています。間藤先生は「難関大学に通う現役大学生がメンターとして指導します。授業の質問などはもちろんのこと、ここに来て先輩と雑談をするだけでも、どんな中高時代を過ごしたのか、大学では何を学んでいるか、などを聞くことができ、『生きた学び』が得られます」と述べました。「TASL」は現在、中1・2は全員参加で、中3は希望制ですが、2026年度からは中3も全員参加となります。高校でも、1学期と3学期に行う「校内勉強合宿」、夏休み中に葉山の研修施設を利用して行う「校外勉強合宿」、曜日ごとに科目を変えて放課後に開講される「特別補講」など、さまざまな取り組みが行われています。

 国際教育にも力を注いでおり、毎年春休みと夏休みに高1の希望者を対象とした「2週間の海外語学研修」をオセアニア地域で実施します。このほかにも、希望者による中3の「台湾研修旅行」や、中3と高2で実施されるターム留学(3か月または6か月) などがあり、2026年度からは1年間の留学プログラムも始まるそうです。

イメージ写真 JR東海道線・小田急江ノ島線・江ノ島電鉄「藤沢」駅、小田急江ノ島線「藤沢本町」駅から徒歩約15分の緑豊かな高台に位置しています

www.tohrei-fujisawa.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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