受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

巣鴨中学校

2025年6月15日(日)

歴史ある男子教育と多彩な行事を通して、生徒たちの可能性を引き出す

 巣鴨中学校・高等学校は、1910年に哲学者・遠藤隆吉博士が設立した私塾「巣園学舎」から発展した歴史ある男子校です。創立以来、自分で努力する姿勢を大切に育てていく「硬教育(努力主義)」による男子英才教育の実践をめざしています。

 例年、難関国公立大学・難関私立大学への合格実績を誇り、なかでも医学部・医歯薬系大学への合格者が多いことでも知られています。2025年春の卒業生からは、国公立大学医学部医学科に5名、私立大学医学部医学科に22名の現役合格者が出ました。

 この日の説明会の冒頭、校長の堀内不二夫先生は、「努力をしないで物事が成就することはありません」と述べました。現在、受験勉強に励んでいるサピックス生を支える保護者の方に向けて、「毎日集中した10分間を家庭学習にプラスしてみてください。そして、それを毎日休むことなく1年間続けると60時間になり、『60時間も集中できた』という経験が残ります。60時間連続して何かに集中することは、大人でもできません。しかし、365日に分解すれば一日たったの10分なのです。努力は誰でもできることです。それを誰も真似できないレベルまでやってみましょう」と強く呼びかけました。そのうえで、「中高6年間は、人生の土台をつくる時期です。勉強・知性・教養・肉体的持久力などを、仲間と切磋琢磨しながら育む大事な期間です」と強調しました。

 また、同校で大切にしている行事の一つとして、5月上旬に行われる「大菩薩峠越え強歩大会」を紹介しました。これは、深夜から早朝にかけて全校生徒が東京都奥多摩町~大菩薩峠~山梨県甲州市を強歩するという伝統行事で、約1500人が参加します。毎年50名程度の卒業生が生徒たちをサポートするために全国から駆けつけてくれます。6年ぶりに中1~高3まで全員参加での開催となった今年は、ほとんどの生徒が初参加という状況での実施となりました。堀内先生は「トップでゴールしたとしても表彰などは一切ありません。やり抜くことに意味があるのです」と語りました。

 続いて、生徒に身につけてほしい能力として挙げられたのが「共感力」です。同校では行事を通して、喜びや悔しさを仲間と分かち合い、共感する機会としているそうです。最後に堀内先生は、「生徒たちには、地球全体をとらえられる広い視野と共感力を持って、将来活躍してほしいと願っています」と結びました。

 入試広報部長の山崎大輔先生からは、学校生活全般について説明がありました。同校では、毎月のように行事が開催されています。前述の「大菩薩峠越え強歩大会」に加え、7月には希望制の「巣園流水泳学校」(希望者)、1月には「百人一首歌留多大会」などがあります。9月に国立競技場で開催されている「巣園祭(体育祭)」は、今年は味の素スタジアムにて実施予定とのことです。また、中3の修学旅行は、4月に4泊5日の日程で関西方面を訪れます。2日目に行われた明日香村民家ステイでは生活のお手伝いをしたり、家族で出掛けたり、体験型のプログラムも組み込まれています。

 クラブ活動も盛んで、体育系17、文化系20のクラブがあり、兼部も可能です。「活動は週3日まで」と決められていますが、生徒たちは集中して練習に励み、好成績を残しています。文部科学大臣杯中学校囲碁団体戦東京都大会で2025年に優勝を果たした囲碁将棋部や、「東京私立中学高等学校 生徒写真・美術展」で受賞した美術部など、文化系クラブの活躍も目立っています。

 同校の入試は、第Ⅰ期が2月1日午前、算数選抜(算数1科目入試)が1日午後、第Ⅱ期が2日午前、第Ⅲ期が4日午前に行われます。2026年度も大きな変更はありません。詳細は11月以降に同校のホームページに掲載される募集要項をご確認ください。

イメージ写真 説明会当日は体験授業も実施され、大勢の小学生が参加しました。理科では化学実験室で「燃焼」実験を行い、数学ではコンピューターの基礎となる「十六進法」などを学びました

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