受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

三田国際科学学園中学校

2025年7月4日(金)

「発想の自由人」を育てるためのサイエンス環境とインターナショナル環境が充実

 前身である戸板中学・戸板女子高等学校が共学化し、「三田国際学園中学校・高等学校」となったのは、2015年のことです。教育改革に積極的に取り組む同校は、2025年度から「三田国際科学学園中学校・高等学校」に改称し、新たなスタートを切りました。副校長・広報部長の今井誠先生は、「この校名には、国際教育とサイエンス教育を充実させてきた10年間の取り組みを、さらに進化させていこうという本校の覚悟が込められています」と説明します。

 同校の教育の根幹にあるのが、「発想の自由人たれ」という理念です。この理念は、「ITの進化によりあらゆるものが変化し続ける社会で活躍するためには、自分で考え、発想する力が不可欠だ」という認識に基づいています。その実現に向けて、同校では多様性を受け入れながら活躍するためのグローバル教育と、発想力を高めるためのサイエンス環境の二つを柱に学びの場を構築しています。

 同校において「サイエンス」とは、社会に存在するさまざまな問題の原因を分析し、その解決手段を見いだすためのものです。文系・理系を問わず、すべての生徒が身につけるべき教養の一つとして、「サイエンス」を学びます。中1から「サイエンスリテラシー」などの授業を通して、問いの立て方、データの収集と検証、プレゼンテーションの方法など、研究者としての基礎的な素養を身につけていきます。中2・3では、生徒自身の興味・関心に応じたゼミナールに所属し、2年かけてそれぞれの研究テーマに取り組みます。

 こうしたサイエンス教育を支えるのが、大学の研究室や研究所に匹敵する高度な設備と、博士号を持つ6名の 常勤教員です。大学の研究室レベルの設備が整った三つのサイエンスラボに加え、この秋には新たに「ゼロワン」という施設が完成予定で、生徒の発想力を引き出す空間となります。このような環境を生かして理系進路をめざすコースで自身の研究を進め、国内外のコンテストで優秀な成績を収めたり、大学との共同研究に参加したりする事例も多くあります。

 もう一つの柱はグローバル教育です。英語力の向上だけでなく、多様な価値観を認め合いながら共創する力の育成を重視し、海外研修も実施しています。同校には、教員の約3分の1に当たる38名もの「International Teachers(IT)」と呼ばれるネイティブスピーカーの常勤教員がいます。博士号を持つ教員も含まれており、英語だけでなく専門教科の指導も可能です。授業に加えて担任業務、部活動、学校行事、生徒指導などにもかかわり、あらゆる場面で日本人教員と協力して生徒の成長を支えています。

 「英語の授業はすべて習熟度別で行われるため、中学から本格的に英語を学習する生徒も安心です。その一方で、帰国生はさらに高いレベルの学びを追求できます。英語が日常的に飛び交う環境のなかで、早い段階で耳が慣れ、ブレイクスルーを経験できます。本校で英語をゼロから始めて、海外大学に進学した生徒もいます」と今井先生は受験生を励まします。

 中学のクラス(高校からはコース)編成についても説明がありました。同校には、「インターナショナルクラス(IC)」と「インターナショナルサイエンスクラス(ISC)」、中2から選択可能な理系進学希望者対象の「メディカルサイエンステクノロジークラス(MSTC)」の3種類があります。「ISC」と「MSTC」では、英語以外はすべて日本語で授業が行われ、英語については習熟度別に三つのグループに分かれて学びます。

 一方、「IC」は、海外大学受験や国内大学の総合型選抜・学校推薦型選抜を強く意識した教育内容となっています。4教科入試で入学した生徒は、中3次に英語・数学・理科・社会をオールイングリッシュで学べる水準をめざし、段階的に英語力を高めていきます。

 高校では、西オーストラリア州のカリキュラムに則った授業を履修し、同校の高校卒業資格に加え、西オーストラリア州の高校卒業資格(WACE)を取得できる「Dual Diploma Program(DDP)」、または大学の学びを先取りする「Advanced Placement(AP)」からめざす進路に応じて選択できます。

イメージ写真 東急田園都市線「用賀」駅から徒歩5分。2025年秋には、自由な発想で「0から1」を生み出す場として「ゼロワン」と名づけられた施設が完成する予定です

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