受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

東洋大学京北中学校

2025年6月12日(木)

哲学教育・国際教育・キャリア教育を3本柱に、「本当の教養を身に付けた国際人」を育成

 東洋大学京北中学校の前身は、東洋大学の創設者である哲学者・井上円了によって1898年に設立された京北尋常中学校です。2011年に母体である「京北学園」が東洋大学と法人合併して併設校となり、2015年に校名を変更し東洋大学附属校となりました。

 説明会の冒頭、校長の星野純一郎先生は新しいトピックとして、2026年度から新たに始まる留学制度を紹介しました。「高1の希望者を対象とするこのプログラムでは、アイルランドの高校で約1年間学び、現地でのさまざまな体験を通じて『未来の自分』を探すことをミッションとしています」

 続けて、同校の建学の精神「諸学の基礎は哲学にあり」にも触れ、「物事の一つひとつを深く掘り下げ、世の中の多くの人々の役に立つよう、これまで学んできたことをすべて使って解決をしていくのが、哲学という学問です。このプロセスは、大学入学共通テストでも問われています」と述べました。

 「本当の教養を身に付けた国際人」の育成をめざす同校では、文系・理系のどちらかに偏らない、国公立大学受験に対応したカリキュラムで学習を進め、奥深い教養を養うことをモットーとしています。星野先生は「英語が話せることも大切ですが、こうした外国語の背景にある幅広い知識を持ち、世界に通用するものの見方ができる生徒を育てていきたいと考えています」とも話しました。

 最後に、日ごろから生徒たちに実践するよう指導している「正礼し 正聴し 尽瘁(じんすい)すれば 不可無く良生なり」ということばを紹介しました。「尽瘁とは『病みつかれるほど本気になって何かに取り組むと、すべての歯車が整い、うまく進んでいく』という意味です。日々の授業に『哲学教育・国際教育・キャリア教育』の3本柱が重なり合って、本校が成り立つと考えています」と結びました。

 具体的な取り組みについての説明は、広報部長の井出秀己先生が担当します。同校は東洋大学の附属校ですが、国公立大学や難関私立大学をめざす生徒をサポートする体制も整えています。2025年春に卒業した中高一貫生(95名)は、東京農工大学・東京学芸大学・東京都立大学などの国公立大学に10名が、早稲田大学・慶應義塾大学・上智大学・東京理科大学に計14名が合格しました。

 東洋大学の全学部への推薦入学枠は高校からの入学生も含めて176名分が確保されています(2025年春の卒業生は276名)。2025年度の高3生には「評定平均値3.2」「英検®2級を受験し、CSEスコア1800」「高3時模試偏差値平均45.0」という推薦基準が設けられています。また、被推薦権を保持したままの他大学受験は不可となっています。

 中学で必修の哲学教育では、生徒一人ひとりが「より良く生きる」ために「考える」ことを促しています。中1は「他者と自分について考える」、中2は「本当の自分について考える」、中3は「自分と社会のかかわりについて考える」がテーマで、その内容は学年が上がるごとにステップアップしていきます。

 国際教育としては、英語合宿「English Camp」(中1・2全員)のほか、「カナダ修学旅行」(中3全員)、「アイルランドサマープログラム」(中2・3希望者)といったプログラムが実施されています。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

 このコンテンツは、公益財団法人 日本英語検定協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。

イメージ写真 自習室だけでなく、職員室前など校内のさまざまな場所に学習スペースが設けられています。吹き抜け階段が特徴の図書室でも、多くの生徒が自習に励んでいます

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