受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

湘南白百合学園中学校

2025年6月23日(月)

自然豊かな湘南の丘で、未来を切り拓く「愛ある人」を育む

 江の島と富士山を望む、美しい自然に恵まれたキャンパスを有する湘南白百合学園中学・高等学校は、フランスのシャルトル聖パウロ修道女会を母体とする中高一貫の女子校です。1938年の開校以来、「愛ある人として、国際社会の平和と発展に寄与する女性」「論理的思考力、深く探究する力を持ち、多様な人々と協働できる女性」の育成に努めています。生徒たちが神から与えられた能力を他者や社会のために生かす喜びを知る温かな教育が脈々と受け継がれています。

 説明会の冒頭では、校長の岩瀬有子先生が登壇しました。同校はキリスト教カトリックの精神に基づき、「従順・勤勉・愛徳」を軸に、「愛ある人として」を教育指針としています。この方針は創立時から変わりません。教職員は、生徒一人ひとりが愛される存在であることを実感し、その記憶が6年間の学園生活を彩ることを願っています。

 情報教育にも力を入れています。中1から高1まで必修で、6年間を通してプログラミングや生成AIを活用した先進的な授業を展開しています。文部科学省の高等学校DX加速化推進事業「DXハイスクール」認定校として、PC環境整備やプレゼンテーションスペースのリニューアルを進めています。

 また、高校卒業時にめざす生徒像として「グラデュエーションポリシー」を定め、国際社会の発展に貢献する女性を育成目標としています。心の教育にも力を注ぎ、「生徒支援コーディネーター」を中心に、きめ細やかなサポート体制が構築されています。岩瀬先生は、「AIにはできない、人間だけが持つ『生きる力』を育てていきたい」と強調しました。

 続いて、教頭の水尾純子先生が具体的な教育内容について話しました。学力向上と学習習慣作りにおいては、「プランニング手帳」を導入し、自律的な学びを促します。数学や英語では小テストを頻繁に実施し、個別指導も徹底的に行っています。生徒は1人1台のChromebookを使用し、ICTを活用した個別最適な英語指導を受けています。中1から高1まで全員を対象とする国際教育プログラムは、学年と習熟度に応じて体系的かつ段階的に実施されます。高1での全員必修型の海外研修は、サンディエゴ研修・マルタ研修・スリランカ研修・台湾研修・オンライン海外研修のなかから選択しますが、約8割が海外で学ぶプログラムを希望しています。

 探究学習は中1から高2まで、週2コマ設定されています。中3では「環境」に関連したテーマを各自が設定し、実験・観察を通して考察を深め、最終的に論文を作成します。連携しているお茶の水女子大学の教授が研究テーマの設定をサポートしています。高1・2では「卒業研究」として自由にテーマを設定し、1年半かけて探究活動に取り組み、論文執筆や作品制作を行います。また、地域・大学・他校と連携し、年間50講座以上の「探究講座」も開講されます。大学8校と中高大連携を結んでいるため、生徒は中学の段階から大学の学びやキャリアに触れる機会があります。

 午後7時まで利用できる「学習サポートセンター」には、大学生のメンターが常駐しています。今春は卒業生の約6割が国公立大学、早慶上理、GMARCH、医療系学部に進学しました。理系進学率は全体の4割を占め、医学部への現役合格実績もあります。

 同校の「がんばる友人を応援する文化」についても紹介がありました。生徒が立ち上げたプロジェクトも多く、学校はそのチャレンジを積極的にサポートしています。生徒がデザインしたスラックスを制服に導入するなど、共に学校をつくり上げる姿勢も大きな特徴です。

 説明会の最後には、サピックス小学部を卒業した中学生3名が登壇し、併設小学校からの進学者ともすぐに仲良くなれたこと、授業は明るく質問しやすい雰囲気であること、「探究講座」が将来の目標を見つけるきっかけになっていることなどを話しました。生徒たちは皆、同校での学校生活が「とても楽しい」と口をそろえました。

イメージ写真 昇降口には、校歌の歌詞にも登場するジャンヌ・ダルクをモチーフにした美しいステンドグラスが配置され、生徒の登下校を見守っています

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