受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

学習院中等科

2025年6月5日(木)

多様な個性を持った、社会に貢献できる人材の育成をめざす

 学習院の起源は1847年に京都に設けられた公家の教育機関にありますが、現在の学習院は東京・神田で私立の華族学校が開設された1877年を創立年としています。その成り立ちから皇室との縁も深く、1884年には宮内省所轄の官立学校となりましたが、戦後の学制改革を機に一般の学校法人となり、現在は、幼稚園から大学院までを擁する総合学園として知られています。

 この説明会であいさつに立った中等科・高等科科長(学校長)の髙城彰吾先生は、「目白の森」と称される同校の敷地が、かつて東京都豊島区が有する緑地の3分の1を占めるといわれていたことについて触れ、「緑豊かなキャンパスであることを自慢にしています」と語りました。卒業生の進路についても触れ、「同じキャンパスにある学習院大学には毎年、高等科卒業生の約6割が進学します。残りの約4割は国立大学や早稲田大学、慶應義塾大学などの私立大学、あるいは海外大学などを進学先に選んでいます」と述べました。

 続いて、学校生活の様子を記録した動画が上映されました。授業・クラブ活動・運動会・文化祭・校外教育などでの生徒たちの様子がよくわかりました。

 次に、教務課長の土屋良太先生が教育課程について説明し、「本校の教育目標は『多様性を認める』『個性を伸ばす』の2点です」と語りました。その実現に向け、中等科では各教科を細分化し、より詳しく、わかりやすい授業を実施しています。たとえば、社会科は地理・歴史・公民に、英語はリーダー・英会話・LL・演習というように、分野ごとに時間割を分け、それぞれ専門の教員が指導します。また、数学の一部と英語は中1より1クラス20名程度で学ぶ分割授業を実施します。数学と英語は、中学校の新入生にとって特につまずきやすい教科といわれています。少人数の授業にして、目が行き届きやすくすることで、つまずきをなくすのが狙いです。

 中3では、生徒全員を対象とした選択英語という選択制の授業が週に1コマ行われています。ネイティブ教員がオールイングリッシュで指導するコース、海外旅行をするときの英語をテーマにしたコース、洋楽を教材にするコースなど10種類の選択肢があり、生徒は自身の興味に応じた内容のものを選べます。

 国際教育にも注力しており、中等科2年では、ホームステイをしながら現地校に通う10日間のニュージーランド短期研修などに参加できます。また、高等科では、公認留学制度を使って1年間の留学をすることができます。さらに高等科2年からは、第二外国語としてドイツ語・フランス語・中国語の履修も可能です。

 生徒課長の松本和博先生からは、学校生活についての説明がありました。同校の校風については、「男子校なので、異性がいないなかで、自己開示する機会が多く、先生との距離が非常に近い学校です。そして、部活動も非常に盛んです。『おとなしいお坊っちゃん学校』と思われがちですが、決してそんなことはありません。普通の男子校だとお考えください」と紹介しました。校則についても、「少ない決まりごとを厳しく守らせる」という姿勢を強調しました。また、生徒たちはオリジナルの手帳を活用し、持ち物・宿題・提出物などの管理、小テストなどの対策、その日の振り返りなどをしています。学校でメモを取り、夜と朝、自宅で確認する習慣を身につけることで、生徒の自己管理能力を育んでいくのが狙いです。

 最後に、松本先生からは、保護者の方々に向けて、「子どもの第一志望校に向かって突き進むぐらいの気持ちが必要になります。子どもたちは最後の最後まで伸びます。それを信じて寄り添うことが大事です」というメッセージが送られました。

イメージ写真 JR「目白」駅からすぐの好立地に、東京ドームの3倍以上という広大な敷地が広がります

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