受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

開成中学校

2025年6月12日(木)

高校の新校舎が2024年夏に完成
生徒の活動の幅が広がる

 開成中学校・高等学校は、加賀藩士の佐野鼎(かなえ)が1871年に創設した「共立(きょうりゅう)学校」を起源としています。この日、SAPIX代々木ホールで開催された説明会の冒頭では、サピックス教育事業本部本部長の広野雅明先生が入試分析を行い、「例年は算数や理科で差が出ますが、今年は国語で点差が開きました。4科をバランスよく学習することが大切です。また、自分の頭で考える力を養ってください」とアドバイスしました。

 次に、校長の野水勉先生が登壇し、2024年夏に完成したばかりの高校校舎を紹介しました。2021年に150周年を迎えた同校では、その記念事業として新校舎を建築し、グラウンドも1~2割広くなりました。野水先生によると、「林立していた棟が一体化されて利便性が向上し、生徒の活動の幅が広がった」とのことです。続いて、学園の理念として「質実剛健」「自主自律」「進取の気性と自由の精神」、そして校章の起源にもなっている「ペンは剣よりも強し」を挙げました。「総合すると『自律した強い精神力を持ち、飾らない人柄によって多くの人の信頼を集め、率先して新しい分野を切り開いていく人材を育てる』という意味です。堅苦しく聞こえますが、生徒は伸び伸びと生活していて、学校生活の満足度調査では、95%以上が『楽しい』と回答しています」と笑顔で語りました。

多くの学校行事を生徒が企画・運営
専門性の高い教員が授業を担当

 生徒の自主性を大切にする同校では、修学旅行・運動会・文化祭も生徒が主体となって運営します。学校行事では、運動会や文化祭の企画から運営までのすべてを生徒が担うのはもちろんですが、修学旅行・学年旅行の行き先の選定、旅程の決定、ホテル選びも生徒に任せているそうです。部活動も盛んで、ボート部・俳句部・クイズ研究部などが全国レベルで活躍し、数学研究部・物理部も国際大会で優秀な成績を取る生徒もいます。

 学習面の特徴についても説明がありました。授業ではオリジナル教材を使用し、専門性の高い教員が指導に当たっています。芸術教科にも注力し、音楽は中1でピアノ、中3でギターの基礎を習得します。理科・社会は、実験やフィールドワークなどの体験を通じて学ぶことが重視されています。

 英語教育の説明もありました。中3では、英語漬けの1日を送る「英語学校」を実施し、高校では自由選択の「英語特別講座」を7・8限に開講しています。外部検定試験のGTEC®を中3で、ケンブリッジ英検を高1で、それぞれ全員に受検させ、TOEFL®iBTなどの受検も推奨しています。さらに、海外サマープログラムへの参加、海外大学・留学フェアの実施、留学カウンセラーの設置をはじめ、海外大学志望者を支援する体制も整えています。

 最後に野水先生は、「健康を維持して知力を積み上げ、新聞や本を読んで世界の動きを学ぶ習慣を身につけてください。地道な努力の過程こそが、皆さんの財産です」と受験生にエールを送りました。

イメージ写真 地下1階・地上6階建ての新校舎。生徒の交流の場としてのオープンスペースやテラスもいたるところに備わっています

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