受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

駒場東邦中学校

2025年6月8日(日)

創立から現在まで生き続ける理念
「自主独立の気概と科学的精神を養う」

 首都圏有数の男子進学校として知られる駒場東邦中学校・高等学校は、2025年春に東大合格者39名を輩出しました。卒業生は各界で活躍しています。

 説明会であいさつに立った校長の小家一彦先生は、東邦大学理事長・額田豊博士と、都立日比谷高校の校長を務めた菊地龍道先生とによって、1957年に設立された同校の沿革を紹介しました。小家先生は創立から現在まで生き続ける指針として、菊地先生が掲げた教育理念「自主独立の気概と科学的精神を養う」に触れ、「各自が自己を確立し、合理的で科学的な考え方を身につけ、人類の福祉を高める仕事で活躍できる人材を育成することを意味しています」と語りました。

 続いて、駒東生に受け継がれる「3F精神」について説明しました。これは第2代校長の高山(こうやま)政雄先生が提唱した「Fighting spirit(敢闘精神を持とう)」「Fair play(戦ううえは公明正大であろう)」「Friendship(本物の友情が生まれる)」から成ります。「お互いに誠実さを呼び掛ける三つの“F”は、学校生活のさまざまな場面で取り交わされ、生徒たちの信頼の基盤として受け継がれています」と力説しました。

「仲間と学ぶ、仲間から学ぶ」ことを重視
本物に触れ、主体性を育む

 続いて、中学教頭の田子久弥先生が、映像を交えながら実際の学校生活について話しました。「理科実験」の場面では、豚の肺に教員がチューブで息を吹き込んで膨らませると、生徒たちが驚きの声を上げ、「もう1回!」とリクエストする姿が映し出され、本物に触れる学びの大切さが伝わってきました。

 体育祭と文化祭は同校の二大行事です。6学年を縦割りにした4色のチームに分かれて競い合う体育祭は個性的な種目が多く、作戦は色ごとに代々受け継がれてきました。文化祭も生徒主体で運営されます。1年がかりで取り組んだ研究内容を展示し、生徒が来場者に説明します。田子先生は「文化祭を訪れて本校を志望した生徒も多くいます」とにこやかに語ります。いずれも学年を超えた交流を生み出し、駒場東邦のスピリットを受け継ぐ場となっています。

 校外学習も、学年を追うごとに主体性を発揮することがより強く求められます。中1の霧ヶ峰林間学校は設定されたテーマから選んで探究しますが、中学の学びの集大成となる中3の奈良・京都研究旅行では、生徒がみずからテーマを設定し、文献調査・現地調査を行ったうえで、1年近くかけて論文を作成します。高2の修学旅行は目的地・行程・事前学習・実践まですべて生徒が主体となって取り組みます。

 部活動も生徒の自治によって運営されています。昨年度、囲碁部は12年ぶりに全国制覇を達成し、中学サッカー部は2回目の全国大会出場を果たしました。

 国際理解教育も盛んです。台湾の国立台南第一高級中学と姉妹校協定を結び、交換留学を実施しています。隔年のベトナムスタディツアーでは山岳少数民族の村を訪ね、地域の課題や解決法を探究します。

 最後に田子先生は「仲間と学ぶ、仲間から学ぶ」ということばに力を込め、説明会を締めくくりました。

イメージ写真 蔵書数約8万冊の図書室には、グループで調べ学習ができる大きな机と、自習用のキャレルデスクが設置されています

www.komabajh.toho-u.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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