受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

慶應義塾中等部

2025年5月23日(金)

幕末に起源を持つ伝統校ながら
大学と連携した新しい学びを提供

 慶應義塾の発祥は、中津藩藩士だった福澤諭吉が、江戸の築地鉄砲洲にあった藩邸に1858年に開いた蘭学塾です。中等部は、その長い歴史を持つ慶應義塾のなかでは比較的新しく、戦後間もない1947年に男女共学校として開校しました。現在でも福澤諭吉の理念を受け継ぎ、「自ら考え、自ら判断し、自ら行動して、その結果に責任を持てる自立した人物」を育てる教育を実践しています。

 SAPIX代々木ホールで行われた説明会は、サピックス教育事業本部本部長の広野雅明先生による入試分析からスタートしました。広野先生は同校の出題傾向に触れ、「基礎学力と若干の応用力が求められます。高得点勝負になるため、日ごろからミスを減らす意識を持って学習に取り組むことが大事です」とアドバイスしました。

 続いて登壇した中等部長の松本守先生は、創立者である福澤諭吉の「教育こそが社会変革の根幹である」という慶應義塾に込めた思いや、「先導者」「半学半教」「社中協力」といった理念を紹介しました。そして慶應義塾の長い歴史をひもときつつ、2021年に慶應義塾ミュージアム・コモンズが開館したことを紹介し、「中等部は幕末に起源を持つ慶應義塾の一貫教育校の一つではありますが、最先端の施設を使って、新しい学びを提供している学校でもあります」と話しました。

自由のなかに規律を求める校風
社会の先導者をいかに育てるか

 自由を尊重した校風で「校則がない」ことが特徴の同校ですが、学校生活においては規律も求められます。たとえば、式典では基準服を着ますが、ふだんは「中等部生としてふさわしい、気品のある端正な服装」を生徒自身で考えなくてはなりません。ルールを決めてほしいという声もあるそうですが、「3年間、毎日、何を着ていくかを考えた生徒と、制服しか着ない生徒とでは、土台の部分に少し違いが出てくるのではないか」と松本先生は考えています。

 また、中等部では遠足、慶早戦応援、運動会、展覧会、音楽会など、多種多様な学校行事が催されています。社会のさまざまな分野で活躍する卒業生から話を聞く「キャリア講座」は、生徒会総会の議決を経て実現しました。今年度からは英国クランフォード校の生徒をホームステイで受け入れ、中1の教室で授業を受ける「冬期クランフォード日本語研修生」を導入します。このような国際交流プログラムは、全学年で実施されます。

 SDGsへの取り組みも活発です。校内で環境と融合した養蜂を行い、蜂蜜を収穫する活動を継続中です。また、不要なものを再利用してゴミを出さない世の中を考える「コンポスト×ものづくり」などは中3の選択授業の一環です。松本先生は「社会の先導者をいかに育てていくかを今も問い続けています」とのメッセージで説明会を締めくくりました。

イメージ写真 国内では、女子は全員が慶應義塾女子高等学校に進学します。男子は慶應義塾高等学校、慶應義塾志木高等学校から進学先を選択可能です

www.kgc.keio.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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