受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

海城中学校

2025年5月22日(木)

学力と人間力を兼ね備えた
「新しい紳士」の育成をめざす

 海城中学高等学校は、1891年創立の海軍予備校をルーツとする男子伝統校です。建学の精神に「国家・社会に有為な人材の育成」を掲げ、「新しい学力」「新しい人間力」をバランスよく備えた「新しい紳士」の育成に努めています。

 説明会の冒頭、あいさつに立った校長の大迫弘和先生は、現代の「新しい紳士」の要件として「Diversity(多様性)」「Equity(公平性)」「Inclusion(包摂性)」の三つに触れ、「本校では生徒一人ひとりが異なる頂上をめざす“八ヶ岳”的な価値観を持ち、それぞれの夢の実現のために何が必要なのかを見極め、最適な学習支援やサポートを行っています」と話しました。

 続いて、同校の卒業生でもある募集広報室長の塩田顕二郎先生が、教育内容について説明しました。塩田先生が「昔は“受験スパルタ校”だった」と話す同校は、1992年から学校改革を開始し、学力至上主義からの脱却を図っています。その改革は現在も進行中で、「中1・2の定期試験では、これまで標準偏差やそれぞれの生徒の偏差値まで細かく発表していましたが、昨年から得点と平均点のみの開示としました」とのことです。その理由については、「自分の成績順位を必要以上に気にするよりも、学びのモチベーションを高めることに意識を向けてほしいからです」と説明しました。

「サイエンスセンター」を活用し
探究型の実験・観察に取り組む

 次の話題は、「新しい学力」「新しい人間力」を育てる具体的なカリキュラムについてです。まず、人間力を磨く試みとして塩田先生が挙げたのが、チームワークを生かして課題解決に挑む「プロジェクトアドベンチャー」です。中1は日帰り、中2は1泊2日で、さまざまなミッションに挑戦し、チームビルディングに必要な心構えを身につけます。もう一つは「ドラマエデュケーション」です。グループで演劇を創作・発表する過程で、相手の立場で考え、行動することの重要性を理解します。

 一方、学力を伸ばす仕掛けとしては、中3での「卒業論文」があります。それぞれの生徒が社会課題を見つけ、その分野の専門家に取材をして、そこで得た知見に基づいて原稿用紙30枚以上の論文を執筆して発表を行うものです。また、2021年に完成した新理科館「サイエンスセンター」を活用した探究型の実験・観察も特徴的な学びの一つです。そこで行われる多彩な理科実験を通して、自然科学の基本的な思考サイクルを学んでいます。

 最後に塩田先生は2026年度入試の概要に触れ、「合否を左右するのは、4科目バランスよく得点できるかどうかです。苦手科目の克服に努め、過去問演習に力を入れてください」とアドバイスを送りました。

イメージ写真 1万3000㎡の広さを誇るグラウンド。体育の授業はもちろん、野球部・サッカー部・ラクロス部などの練習にも活用されています

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