受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

学習院女子中等科

2025年6月20日(金)

充実した教育環境の下、「ダイヤモンドの原石」を磨き合い、互いを高め合う

 1885年に設立された華族女学校を前身とする学習院女子中・高等科は、設立当初から「その時代にふさわしい知性と品性を身につけた人物」の育成をめざしています。生徒たちはさまざまな授業や学習活動のなかで、自分たちが「ダイヤモンドの原石」として互いに磨き合っていることを実感しながら、人としての正直さや思いやりを持って仲間と接し、互いに高め合う学校生活を送っています。

 SAPIX代々木ホールで開催されたこの日の説明会は、サピックス教育事業本部本部長の広野雅明先生の入試分析から始まりました。直近のデータから、合格の目安となる偏差値や併願パターンなどを紹介した後、「同校の入学試験は、答えだけでなく途中経過を書かせることが特徴の一つです。算数では作図といった思考力を見る問題も必ず出題されます。単に知識が頭に入っているかどうかではなく、知識をもとに自分なりに考え、自分のことばで説明する力が求められます」と説明しました。

 次に、学習環境や教育内容、学校生活などについて教頭の家本佳代子先生から説明がありました。同校は東京メトロ副都心線「西早稲田」駅から徒歩約1分の場所に正門が位置し、正門から女子中・高等科本館までは徒歩5分ほどかかります。キャンパス内には、14万冊以上もの蔵書を備えた図書館をはじめ、1階に温水プールが設置された総合体育館、理科4分野それぞれの講義室と実験室など、施設・設備が充実しています。1学年5クラスで毎年クラス替えがあり、学年全体を5名の教員で見る「学年主管制」を採っています。中1では週32時間のうち13時間は少人数で授業を行う分割授業を実施。家本先生は、「大切なのは授業中に理解すること。分割授業では生徒の様子が手に取るようにわかるので、きめ細かい指導が可能です」と話します。

 生徒の学びを深めるために、同校では「本物に触れる」「過程を大切にする」「表現力を身につける」の三つを大切にしています。国語の授業では俳句や短歌などにも取り組み、クラス内で匿名の句会を実施し、選んだ理由などが相手に伝わるようにことばを紡ぐ経験を積み重ねていきます。また、自分のことば、周りの人のことば、新聞など社会で使われることばなど、さまざまなことばや文章に触れながら自分の表現の幅を広げていく「表現」という授業があるのも特徴です。さらに、授業では「進度」よりも「深度」を重視し、高等科では大学で学ぶような踏み込んだ内容にも触れたり、レポート発表などを通じて学びを深めたりしています。

 中1から高3まで、週3時間の体育の授業があるのも特徴です。温水プールがあるため、中1・2では年間を通して週1回水泳の授業があります。家本先生は「泳ぐことは、自分の命を守るために大切なスキルです。泳力に合わせてグループ分けをして授業を行うため、まったく泳げなくても心配はいりません。最終的には個人メドレーをこなせるようになって卒業してほしいと思っています」と話しました。

 成績評価はテストの点数のみでは行わず、「学びの過程」も重視。学期末には授業ノートを回収し、ノートから見て取れる日々の努力も踏まえて評価します。家本先生は「テストでは計算式など解を導くまでの過程も評価・採点対象としています。入試でも同様に行うので、どうしてこのように考えたのか、自分の気持ちを知らない人に伝えるように答案を書いてみてください」と、受験生へのアドバイスも述べました。そして最後に、「自分の時間を自分で管理してほしいという思いから、本校では教室に時計を設置していません。入試当日は必ず、腕時計を持参してください」と伝えました。

イメージ写真 地上5階建ての本館。八つの理科教室や実技教科の実習室、分割授業対応の特別教室、「光庭(ひかりにわ)」といわれる吹き抜けの坪庭などがあります

www.gakushuin.ac.jp/girl/ 別ウィンドウが開きます。

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