受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

法政大学第二中学校

2025年6月12日(木)

中高大の10年間で、未来を拓き自由を生き抜く「実践知」を育む

 法政大学第二中学校は、1939年に法政大学の付属校の一つ、旧制法政大学第二中学校として設立されました。「自由と進歩」を学風とする法政大学の大学憲章として、「自由を生き抜く実践知」の育成をめざしています。

 この日の学校説明会の冒頭、副校長の相田一郎先生が登壇し、同校が大切にしている「出会い、向き合い、『自分』をつくる」という教育理念について語りました。中学・高校を合わせて2500人以上の多様な生徒が通う同校には、充実した施設・設備がそろっています。そんな恵まれた環境のなかで中高大の10年一貫教育を受ける生徒たちは、仲間と協力しながら目の前の課題に取り組むなかで自身の特性や関心に気づき、自分を形成していきます。相田先生は「法政大学が掲げる『自由を生き抜く実践知』は、地球社会の課題解決に貢献できる人材を輩出するという、社会に対しての約束です」と話しました。

 続いて、具体的な教育内容についての説明に移りました。生徒が「10年後、なりたい自分になる」ために、同校では「主体性・共同性・総合性」を重視した探究学習に力を注いでいます。これは、生徒がみずから「問い」を見つけ、情報を集め、考察し、他者にわかりやすく伝える力を養うもので、中1から高3までの授業のあらゆる場面で、この学びのプロセスが取り入れられているのが特徴です。高い学力と知識を獲得するため、中1・2は1クラス30人以下の少人数で編成し、英語・数学ではクラスをさらに2分割して授業を行っています。理科では各学年で毎週2コマずつ実験を行い、レポート作成を通じて探究学習に必要なスキルを身につけていきます。また、英語・数学の週1回(数学は中2から)の「定着テスト」の結果によっては指名補習も行うなど、きめ細かい指導によって家庭学習の習慣化と基礎学力の定着を図っています。

 大学との連携も同校の大きな魅力です。「未来を切り拓く 総長杯英語プレゼンテーション大会」では、法政大学の付属校3校の生徒代表が英語でプレゼンテーションを行います。中高大連携のキャリア教育も活発で、「多摩キャンパス体験学習プログラム」では法政大学の学生との座談会や参加型授業などがあります。内部推薦の合格内定が出る高3の3学期には学部の講義を先取りで受けることも可能です。このように、目的意識を持って有意義な大学生活を過ごすための機会が設けられています。

 高校からは約400名の入学生を迎え、中学からの内部進学生と合わせた混合クラスとなります。高校からの入学生は、多様なバックボーンや経験を持つ生徒が多く、内部進学生は培った経験を発揮しながら、互いに刺激し合える非常に良い環境で学校生活を送っています。

 法政大学への進学については、「有資格者全入」制度が設けられています。学内成績と英語の外部試験の結果が基準を満たしていて、付属生を対象としたテストで一定の成績を修めれば、全員が推薦される権利を得られます。そして、推薦権を保持したままで、他大学を受験することが可能です。2025年度は、約96%の生徒が法政大学の推薦権を取得し、実際に卒業生の89%が進学しました。残りの約1割は他大学に進学しており、そのほとんどが総合型選抜による合格とのことです。

 最後に、入試広報主任の黒田学先生から中学入試について説明がありました。「各教科とも、学校での学びをいかに実生活と結びつけ、きちんと説明できるかが得点の鍵になります」と述べ、過去問演習の際は「2022年度以降の過去問題集で正答率65%以上をめざしてほしい」というアドバイスを送りました。

イメージ写真 同校のシンボルである時計塔のある本館を中心に、蔵書数6万5000冊以上を誇る図書館がある木月総合文化棟などが連結されています。野球場、サッカー場などの競技施設も充実しています

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