受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

神奈川大学附属中学校

2025年6月11日(水)

先進的な教育プログラムを導入し、生徒のチャレンジを全力でサポート

 1984年に設立された神奈川大学附属中・高等学校は、横浜市緑区の自然豊かな校地に、充実した施設を備えた進学校です。「質実剛健」「積極進取」「中正堅実」を建学の精神に掲げ、「自ら考え、判断し、行動できる人へ」を合言葉に、多彩な学びを実践しています。

 この日の説明会であいさつに立った校長の小林道夫先生は、「昨年、本校は創立40周年を迎えました。この40年間で学校教育を取り巻く環境は大きく変化しましたが、その変化に柔軟に対応しながら、本校は常に進化を続けてきました」と述べ、50周年に向けてさらなる改革を推進していることを強調しました。

 続いて、中学副校長の馬場有希子先生が同校の四つの特色を説明しました。一つ目は、広大なキャンパスと「のびのび」とした校風です。二つ目は、1学年が220名程度の完全中高一貫共学校であることです。三つ目は、大学附属校でありながら、国公立大学をはじめとする多様な進路を支援していることです。そして四つ目が、先進的な教育に挑戦し、「学び続ける生徒」を育てていることです。

 同校では、早い段階からICT教育・グローバル教育・STEAM教育(探究活動)に取り組み、創造的な学びを展開してきました。たとえば、グローバル教育のプログラムとしては、学級を超えて編成された10名程度のグループにネイティブ講師が1人ずつつき、3日間英語漬けでさまざまな活動を行う中3のBEC(Breakthrough English Camp)があります。ほかにも、「入門型(ニュージーランド)」「語学型(セブ島)」「国際交流・文化体験型(イギリス)」「問題解決型(ベトナム)」の4タイプがある海外研修を実施しています。馬場先生は「昨年の40周年記念講演会では、失敗を重ねながら夢をかなえた卒業生が登壇し、在校生にエールを送ってくれました。そんな先輩たちの姿を見れば、生徒は安心して社会への一歩を踏み出すことができます。神大附属生としての誇り『KU PRIDE』が先輩から後輩へと引き継がれ、互いを認め合い、高め合える環境が生まれているのです」と語りました。

 STEAM教育(探究活動)の内容については、探究科主任の大場愛美先生が説明しました。中3・高1では週1時間の「探究の時間」があり、みずからの興味・関心を探ります。高1ではテーマを設定して論文執筆にも取り組みます。また、校外学習として、中1・2は横浜や鎌倉での探究活動を、中3・高1は自主行動を盛り込んだ修学旅行を実施します。中3以上が対象となる「ドリカムプロジェクト」では、企業・研究所訪問、模擬国連への参加など幅広いチャレンジの機会を設けられているほか、神奈川大学との高大連携プログラムも豊富です。

 進路部長の中川甲斐先生からは、進路指導に関する説明がありました。同校では、海外協定大学推薦制度(UPAA)が利用できるほか、オーストラリアのニューサウスウェールズ大学ファウンデーションコースへの推薦制度、マレーシアの5大学への指定校推薦の制度も整っており、日々の学習の延長線上に海外大学進学への道が開かれています。加えて、生徒の進路目標を支えるため、卒業生との交流プログラムや学習面のサポート体制も強化しています。英語・数学については、中1・2では少人数制の授業と週末のWT(Weekly Test)で基礎・基本の力を定着させる方針です。中3・高1は習熟度別のクラスで学びます。さらに、高2・3ではそれぞれの希望の進路に合わせたコース制を取り入れています。最後に中川先生は、「自分の目標や努力したことについて、担任と保護者にプレゼンテーションする『生徒が主役の三者面談』も実施しています。これを経験すれば、自分の状況を客観的に見つめ、目標に向かって邁進していけるようになります。こうしたさまざまな仕掛けを通して、教員・卒業生・保護者が一体となり、生徒たちを応援していきたいと考えています」と結びました。

イメージ写真 放課後には、4号館の校舎全体を自習室として開放し、学校完結型・自律型の学習環境を整備。卒業生のTA(ティーチングアシスタント)が質問や相談にも対応しています

www.fhs.kanagawa-u.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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