受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

不二聖心女子学院中学校

2025年5月30日(金)

緑豊かな学習環境の下、「魂」を育て「知性」を磨き「実行力」を養う全人教育を実践

 静岡県裾野市の丘の上に建つ不二聖心女子学院中学校・高等学校は、聖マグダレナ・ソフィア・バラによってフランスで創立された聖心会を母体とするカトリックのミッションスクールです。約21万坪の広大で緑豊かな学習環境の下、カトリック精神に基づいた全人教育を行っています。

 オンラインで開催されたこの日の説明会は、動画の上映から始まりました。森や茶畑が広がる自然豊かなキャンパスを紹介するドローンからの空撮映像が流れた後、広報主任の鈴木暁子先生は、「あえて都会を離れ、静謐(せいひつ)な環境のなかで行う本校の全人教育は、ヨーロッパのボーディングスクールの伝統を受け継ぐものです」と話しました。

 生徒の約半数は「セント・マドレーヌ」と呼ばれる併設の寄宿舎で生活しています。掃除・食事・行事・係の仕事を通じて寄宿生全員が互いにかかわり合うので、同学年の横のつながりだけではなく、上級生・下級生との縦の絆も深まります。鈴木先生は「寄宿生は自分で考え、判断して行動する力や、自立心・責任感が身についたと実感しているようです」と話します。なお、同校では「週末帰宅型」を採用しているため、寄宿生は原則として週末には自宅に帰ります。一方で、片道1時間半以内であれば通学も認められているため、都内から新幹線で通学している生徒も十数名います。そこには、ラッシュがない、座れる、自分の時間が持てるなどのメリットもあります。ちなみに、全校生徒の半数以上は首都圏出身者で、海外在住経験者も全体の約2割を占めています。

 続いて、同校での学びについて、高校主任の大畑友香先生が説明しました。中学では基礎学力を定着させるため、英語・数学・国語の授業時間数を多く設定し、英語・数学は習熟度別の少人数クラスで学びます。高校では、生徒は自分の興味や進路に合わせて授業を選択します。サポート体制も充実していて、放課後や夏季休暇には補習が行われます。また、たくさんの大学と中高大連携協定を結ぶ同校では、さまざまな連携プログラムを体験できるのも魅力です。昨年は、静岡県三島市の国立遺伝学研究所の見学会、東京農業大学の教授・学生による里山づくりプロジェクトの指導・サポート、東京理科大学の教授・学生による共同研究授業などが行われました。

 設立母体である聖心会の修道院や姉妹校を世界中に持つ同校では、聖心女子学院のネットワークを利用した海外体験プログラムも数多く実施しています。留学制度は「誰でも いつでも どこにでも」がコンセプトで、希望者を対象とするプログラムには、約1年間の長期留学(中3以上)、約3か月間のターム留学(中2以上)、約3週間の短期交換留学(中3以上)の三つがあります。姉妹校で学べるという安心感もあり、生徒からは好評です。

 大学進学についての説明もありました。2025年3月の卒業生は、30%が聖心女子大学に、14%が上智大学に進学しました。特徴的なのは、80%が学校推薦型選抜、総合型選抜で合格した大学への進学、または海外進学であることです。大畑先生は「卒業生は本校で培った、学びを深める確かな探究心を持って進学しており、大学でも意欲的な姿勢が評価されています」と話しました。

 最後に再び鈴木先生が登壇し、2026年度入試について説明しました。1月12日のS日程は、東京の聖心女子大学で行われます。2月3日午後のB日程は、聖心女子大学でも裾野市の本校でも受けられます。1月10日のA日程と帰国生入試、1月12日に新設される総合型選抜入試は、本校のみで実施されます。総合型選抜入試について鈴木先生は「芸術系・自然科学系・グローバル系において、生徒自身のこれまでの努力や、優れた意欲・関心をプレゼンテーションする入試となります」と説明します。なお、英語の資格保持者対象の特別措置があり、帰国生入試は英検®3級以上、A日程・B日程は4級以上が対象となります。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

 このコンテンツは、公益財団法人 日本英語検定協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。

イメージ写真 富士山の裾野に広がる21万坪の広大な敷地に20都道府県から生徒たちが集います。都会の喧騒から離れ、集中して学び、自己確立をめざすヨーロッパのボーディングスクールの伝統を受け継いでいます

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