受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

開智中学校

2025年5月28日(水)

今年度から国際バカロレアのディプロマ・プログラムがスタート

 「平和で豊かな世界の実現に貢献する創造力・発信力・コミュニケーション力を持った国際的リーダースペシャリストの育成」を教育理念に掲げる開智中学校・高等学校では、「高質な教科学習の実践」「探究・発信型学習の実践」「生徒の自主性の育成」を教育の3本柱として、「自ら学び、発信する力」を鍛える先進的なプログラムを実践しています。

 この日の説明会で登壇した校長の菅沼健児先生は、この4月に実施したアンケートの結果を紹介しながら、「新入生とその保護者に『中学受験において、志望校選びで重視したこと』を尋ねると、最も多かったのが『教育理念』でした。また、本校に入学した決め手としては『学校の雰囲気』と『探究・フィールドワーク』が多く挙げられました。説明会を通じて、開智の教育をていねいに伝える重要性をあらためて実感しています」と語りました。さらに続けて、2024年度から掲げている「創造×解決」という学校目標に触れ、「与えられたことをただこなすのではなく、自分たちで新しい価値やアイデアを生み出す力を育んでいきたいと考えています。その過程では必ず課題や困難が生じるものですが、『創造×解決』ということばには、そうした課題や困難を自分たちで話し合って解決していこうという意味を込めています」と力説しました。

 開校以来、20年以上力を注いでいる「探究・発信型学習」についても説明しました。これは、日常生活のなかで課題を発見し、自分で仮説を立てて検証・考察を行いながら思考力・探究力を養い、発信力を磨く学習法です。探究活動には、生徒がそれぞれテーマを設定して取り組むものに加え、各学年で実施される校外学習もあります。中1では「磯のフィールドワーク」、中2では「森のフィールドワーク」、中3では「関西フィールドワーク」、高1では「首都圏フィールドワーク」が行われています。そして、集大成となるのが、高2での「英国フィールドワーク」です。生徒たちは現地の大学生を前に、英語でのプレゼンテーションとディスカッションに挑戦します。また、中学の道徳の授業では「哲学対話」を導入しています。正解のない問いをテーマに、生徒は疑問を出し合い、議論するそうです。

 続いて、教頭の清水潤一先生が特色ある授業について説明しました。これまで中学は、東京大学など最難関大学をめざす「先端ITコース」、医歯薬獣医系学部を目標にする「先端MDコース」、グローバルな職業やIT業界など最先端分野をめざす「先端GBコース」、中1~高1の探究型学習を通じて将来を考える「先端FDコース」の先端4コース制でした。どこに所属するかは、生徒自身が入学前に選択する形式でしたが、2024年に新設された「創発クラス」に所属するのは、S特待で合格して入学した生徒のうち希望者です。授業は、先端4コースの特色を取り入れたハイレベルな内容が展開され、思考力や表現力を伸ばし、「総合知」を追求します。成績によってクラスは毎年入れ替わり、高2からは文理国公立大・文理私大・医系の各コースに分かれます。「創発クラス」(全員)、「先端ITコース」(希望者)を対象にした「ガウス数学チーム」という数学の取り出し授業も実施され、数学オリンピックなどの難題にも挑戦していきます。

 授業においては、中1・2はどのコースも「先生が教えるべきことはしっかり指導し、そのうえで、学び合い・教え合いの時間を大切にする」という方針です。英語はネイティブ教員と触れ合う授業や、英検®対策講座も設定しています。「先端GBコース」の希望者には、英会話を重視した英語の取り出し授業も実施されています。また、同校は2024年秋に国際バカロレア(IB)のディプロマプログラム(DP)の認定校となり、今年度から「先端GBコース」の高2・3を対象にDPが開始されました。清水先生は「IBは探究型の学びや社会貢献を重視しており、本校の教育との共通点も多いのです。そこに、さらにグローバルな視点を加えるような形になります」と説明しました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

 このコンテンツは、公益財団法人 日本英語検定協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。

イメージ写真 部活動も盛んで、全国大会に出場経験のあるディベート部、関東大会に進出したことのある水泳部などが活躍しています。キャンパスは広く、どのクラブも伸び伸びと活動しています

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