受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

日本女子大学附属中学校

2025年5月27日(火)

「女子校×大学附属校」で将来活躍するための自分のあり方・価値観を見いだす

 創立者の成瀬仁蔵が唱えた「自学自動(自ら考え、自ら学び、自ら行う)」を教育方針に掲げる日本女子大学附属中学校の生徒たちは、豊かな自然に囲まれた環境で、時間をたっぷりと使いながら自分の“核”を築く毎日を過ごしています。

 説明会の冒頭、あいさつに立った校長の野中友規子先生は、教育方針と教育活動について紹介しました。同校では、行動の基準となる信念を追求し続ける「信念徹底」、自身の考えを発信し、新しい価値を生み出す「自発創生」、共に存在する社会で自己の役割を果たす「共同奉仕」の三綱領を強く意識しながら学校生活を送ります。野中先生は「この三綱領は、社会に出てからも長きにわたって卒業生たちの背中を押す精神的支柱となります」と話します。そして「中高6年間の生活で、自分を知り、他者を知り、お互いの良さも至らなさも受け止め、自分が自分であることを大切にして、認め合う力と生き方を育むことこそ、本校の最大の特徴といえます」と結びました。

 続いて、教頭の國澤恒久先生が卒業後の進路について説明しました。同校では、毎年卒業生の4人に3人が日本女子大学に内部進学しています。生徒自身が「自分は何を学びたいのか、大学で何をしたいのか」を考えたうえで、文系・理系に縛られない幅広い進路選択が可能です。また、附属校ゆえに日本女子大学との連携も強く、高校生を対象とした大学授業体験や単位先取り制度(科目等履修生制度)があります。中学生を対象とした大学授業体験のプログラムも充実しています。

 一方で、他大学進学者の半数以上は学校推薦型選抜を利用しています。学校の長い歴史のなかで、優秀な卒業生が活躍してきたため、早稲田大学や慶應義塾大学をはじめとする多くの難関大学に指定校推薦枠があります。また、統合型選抜で在学中に育んだ総合力、伝える力を発揮する生徒もいます。

 同校の教育の特徴は、学び体験の積み重ねを重視していることで、それが生徒たちの想像力の源となっています。プレゼンテーションやスピーチなど、自分のことばで発信する機会を多く設けているほか、理科の授業では年間40回以上の実験・観察を実施します。生徒たちはこうしたさまざまな体験を通して、将来の社会課題へのアプローチに向けた土台づくりをしています。2023年にはNPO法人「みんなのコード」と連携協定を結び、プログラミングによるアート制作やオフィス訪問なども実施して、情報活用能力の育成を図っています。

 理科教育としては、キャンパスの敷地内で草花を観察し、切った草花を自分のノートに貼ってオリジナルの教科書を制作する授業があります。理科の森田真先生は「緑豊かな環境に恵まれているからこそできることです」と強調します。さらに「山頂付近まで登って火山の様子を調べるなど、実物に触れることを重視した校外学習も充実しています」と話します。一方、英語教育の一環としての海外研修も充実しています。ニュージーランドへのターム留学、バンクーバー語学研修のほか、シンガポール・マレーシアで多文化共生を学ぶ旅などもあります。「海外研修の目的は、経験を積ませることです。海外でのリアルな体験こそが、今後の彼女たちを支えていきます」と、英語科の本木綾子先生は話します。海外の学生による授業やオンライン英会話など、学校内でのプログラムも充実しています。

 最後に、2025年度入試の結果報告がありました。同校では2025年度から2月1日午後に算数1科入試を導入し、一般入試における面接を廃止しました。2月1日午後の算数1科入試の実質倍率は1.5倍で、100点満点の受験者が複数人いたとのことです。また、2月1日午前と3日午前の4科入試では算数の平均点が上昇したそうです。

イメージ写真 同校は川崎市多摩区の日本女子大学西生田キャンパスにあります。理科では観察や植物採集、美術では樹木の写生など、豊かな自然を生かした授業が行われています

www.jwu.ac.jp/jhsc/ 別ウィンドウが開きます。

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