受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

成蹊中学校

2024年10月11日(金)

本物に触れるリベラルアーツを実践し
幅広い教養を身につける

 1912年創立の成蹊学園は、創立者・中村春二の「知育偏重ではなく、人格・学問・心身にバランスの取れた人間教育を実践したい」という思いを100年以上にわたって受け継いできた伝統校です。説明会の冒頭、あいさつに立った校長の仙田直人先生は、同校の教育の根底には、幅広く知識や教養を得るリベラルアーツの精神が流れていると話しました。「本物に触れながら幅広く学ぶうちに、それぞれ自分の心の琴線に触れるものが見つかります。それが、一人ひとりの可能性を広げることにつながります」と続け、同校のさまざまな取り組みの紹介に移りました。緑豊かなキャンパスや学外での動植物の観察会、化石を採集する特別講座、茨城県つくば市でのサイエンスツアー、高校での第二外国語履習などはその一例です。

 AIが普及するこれからの社会でも活躍できるよう、0から1を生み出す「0 to 1(ゼロトゥワン)」の発想力や、非認知能力を育てる探究学習にも力を入れています。地元・武蔵野市や長崎県五島市などの地域振興を考えるプロジェクト、企業と協働しながらマーケティングや商品開発、販売を体験する探究プログラムなどを通じて、生徒たちは社会の課題を見いだすだけではなく、その解決法まで考えられるように、たくましく成長していきます。

 同校のもう一つの大きな特徴は、長い歴史を持つ国際理解教育です。1935年に、他校に先駆けて帰国生を受け入れる国際学級を創設して以来、多彩な留学プログラム、国内での語学研修や交流事業などを実施してきました。

充実した進路指導の下
約7割が他大学に進学

 大学進学については、入試部長の坂井史子先生が説明しました。同校には成蹊大学への内部推薦制度があり、高校の成績と出席状況の基準を満たせば資格を得ることができます。坂井先生によると、「例年、8~9割の生徒が基準をクリアしますが、成蹊大学に進学するのはおよそ3割で、7割は他大学に進学します」とのことです。2024年春は、海外大学に5名、医学部医学科に22名、歯・薬・獣医学部に32名、看護・医療・養護教諭系に13名、芸術系に14名、国際教養系に16名が合格しました。こうした多様な進路を念頭に、同校では、成蹊大学との高大連携講座のほか、他大学教員による模擬授業、海外大学や大学院に進んだ卒業生による講演会・相談会を実施して、生徒が幅広い選択肢から自分の進路を考える機会を設けています。

 クラス分けは高3まで希望進路に関係なく行われますが、授業は高2から文系と理系とで必修科目が異なり、高3では文系が9コース、理系が10コースの中から選択可能となります。「授業は、希望する進路に合ったものを受けながら、行事などでは多様な生徒と一緒にがんばるのが本校のスタイルです」とのことです。

 最後は入試について話がありました。同校の入試は、記述問題が多いことで知られています。坂井先生からは「国語では、まず問題文で何を問われているのか、しっかり把握してください。そして、理解したことを自分のことばで的確に表現してください」とアドバイスがありました。

イメージ写真 豊かな緑に恵まれた広大なキャンパス。本格的な野球場や、ラグビー場を兼ねた人工芝の「けやきグラウンド」、約16万件もの蔵書・資料を誇る図書室などがあり、教育環境は充実しています

www.seikei.ac.jp/jsh/ 別ウィンドウが開きます。

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