受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

関東学院中学校

2024年10月29日(火)

独自のOLIVE STREAM教育で「サーバントリーダー」の育成をめざす

 横浜市南区にある関東学院中学校高等学校は、1884年に設立された横浜バプテスト神学校をルーツに持つ完全中高一貫校です。校訓に「人になれ 奉仕せよ」を掲げ、個人の強みを生かしながら組織を支えるサーバントリーダーの育成をめざしています。

 この日、入試広報部長の山本雄也先生は、2021年から展開している教育ビジョン「OLIVE STREAM」を中心に学校説明を行いました。「OLIVE」は、同校の校章のモチーフであり平和の象徴とされる植物・オリーブを、「STREAM」は、Science(科学)、Technology(技術)、Religion(宗教)、Engineering(工学)、Art(芸術)、Mathematics(数学)を意味しています。

 最初に山本先生が紹介したのは同校の科学教育についてです。理科実験室を5室備え、実験を中心とした授業を行っているのが特徴で、1人1台ずつ実験器具が行き渡るため、理科が好きな一部の生徒だけが操作をするということがなく、どの生徒も同じように実験スキルを高めていくことができるそうです。また、実験後は必ずレポートを作成し、実験の手順や知識を定着させています。山本先生は「理科を好きに『させる』のではなく、自然と好きに『なる』授業をめざしています」と語りました。

 プロテスタントの教えを土台とした宗教教育の場としては、学年礼拝と聖書の授業がそれぞれ週2回ずつ設けられています。山本先生は「これらは、信仰を強制するために行うものではありません。これからのグローバル社会に求められる他者理解の力をつけるという意味があり、とても大きなアドバンテージになるのではないかと思います」と力説しました。

 聖書の授業は英語とも密接にかかわり合っていることから、話題は英語教育へと移りました。中1で設定されている英語の授業は週8コマ。1日2コマの日もあります。そして、8コマのうち5コマは日本人教員による通常授業、1コマはネイティブ教員による英会話授業、そして残りの1コマが英会話教室の講師による特別講義となっています。そのほかに、今年度からオンライン英会話が中3で本格導入されました。これは週に1回、フィリピンの講師とマンツーマンで対話するものです。英語の資格試験の2次対策も兼ねており、レベルは実力に合わせて調整できるとのことです。

 また、伝統的に芸術教育に力を入れているのも特徴で、美術では校内にある焼き窯やろくろを使って、中1から陶芸作品づくりに取り組みます。音楽では、中1はピアノとバイオリン、中2はギターと、学年ごとに決められた楽器の演奏指導を行っているそうです。

 探究活動も盛んです。まず中1では、横浜駅周辺の点字やピクトグラムを探す「横浜ロゲイニングMap」を行います。高1では、たくさんあるプログラムのなかから興味のあるものを選択して、全国各地にショートツアーに出掛けます。行き先となるのは、ごみのリサイクル率の高さを誇る徳島県の上勝町や、池井戸潤の小説『下町ロケット』のモデルになった電機会社のある北海道の赤平市など12か所です。山本先生は「これらの探究活動を通して『経験のないことをやりたがる生徒』を育てることが最大の目的です」と力強く述べました。

 続いて、生徒の希望する進路を実現させるための取り組みの一つとして、医学部志望者向けの「メディカルプログラム」の紹介がありました。現役医師の講演会や予備校講師による「医進英語」「医進数学」といった特別講義を通して、医師という職業に対する理解を深め、医学部受験に求められるスキルを高めようというものです。最後に山本先生は「今後はさらに大学進学実績を伸ばし、生徒と保護者の幅広いニーズに対応していきたいと考えています」と話し、説明会を終えました。

イメージ写真 技術部製作のエコカー。自作マシンの燃費性能を競う「Honda エコ マイレッジ チャレンジ2024」の全国大会では、出場した4台がすべて完走し、中学生の部では中3生が3位に、中2生が5位に入賞しました

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