受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

江戸川女子中学校

2024年10月22日(火)

大規模な学校改革を推進し、「教養ある堅実な女性の育成」をめざす

 1931年開校の城東高等家政女学校を前身とする江戸川女子中学校・高等学校は、「誠実・明朗・喜働」を校訓とし、新しい時代にふさわしい「教養ある堅実な女性」の育成をめざしています。

 説明会の冒頭、あいさつに立った校長の菊池今次先生は、「前向きに自分の知識や経験値を高め、そしてさまざまな人々とコミュニケーションを取りながら、集団としてもまた個人としても、それぞれ生きる力を学んでいく場として、中学や高校があると、わたしたちは考えています」と述べました。

 1986年、高校に英語科を設置して以来、社会情勢の変化に合わせながら英語教育に力を注いでいる同校は、2021年度から高度な英語力の育成をめざす「国際コース」を中学に開設しました。英語の授業は少人数制で行われ、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)でB1レベル以上のAdvanced ClassとA1レベル以上のStandard Classに分かれて学びます。このうちAdvanced Classでは、ネイティブ講師による指導の下、原書の講読を通して読解だけでなくディスカッションやライティングも行います。また、両クラス合同の探究(Global Studies)の授業では、世界の事象について調べ、その内容を英語でプレゼンテーションするなどして自己発信力を養成します。両クラスともに、一人ひとりのレベルに合わせてマンツーマンのレッスンが受けられるオンライン英会話の時間も設けています。

 2023年度からは、高校在学中にアメリカの高校の卒業資格が得られる希望制の「デュアルディプロマプログラム」も導入し、海外大学を志望する生徒に夢への門戸を開いています。高1から開始されるこのプログラムの受講生は自宅で週7時間程度、英語によるオンライン授業を受けますが、これにはCEFRでB1レベル以上の英語力が求められるとのことです。現在、6名の生徒が受講しており、全員が海外大学進学をめざしています。

 また、国際コースの中3生を対象にバリ島海外研修も実施しています。バリ島の住民が信仰しているヒンドゥー教の哲学や多様な価値観に触れ、異文化を体験するなかで、自身のキャリアについて考える英語探究プログラムとなっています。

 同校では2021年に創立90周年の節目を迎えて以降、大規模な学校改革を推進しています。2022年3月には高3専用棟である西館が完成しました。一般教室8室、演習室3室に加え、高3専用の自習室、グループでの学習や憩いの場として利用できるラウンジが備えられ、学習に集中できる環境となっています。また、授業時間がこれまでの1コマ65分から1コマ45分に変更されました。これに伴い、月~金曜は2コマ増えて7時限までに、土曜は1コマ増えて4時限までになりました。座学中心の授業時間を短縮したことにより、生徒たちの集中力が高まる効果が見られるそうです。一方、理科実験やディスカッションなどアクティブラーニング型の授業は2コマ連続で展開し、学び合いや考察を深める時間を十分に確保して、思考力の強化を図っています。

 また、従来の高校の英語科が2025年度より国際英語科へと生まれ変わり、第二外国語として中国語を学ぶなど、世界を舞台に活躍できる人材の育成をめざすことも発表されました。

 続いて、入試対策委員の吉田秀徳先生と水嶋瞳先生が学校生活について紹介しました。「明るく前向きな生徒が多い」という同校では、「学校生活のなかで、勉強もクラブ活動も行事もすべてがんばりたい」と考える生徒が大多数を占めているとのことです。たとえば、バトン部は全国大会への出場を決めるなど、優秀な結果を挙げています。このほか、「特別教育活動」として、日本の伝統文化を学ぶ時間を週1コマ設けています。中1は茶道、中2は箏曲、中3は華道に触れ、感性・品格を磨きます。

イメージ写真 中世ヨーロッパのお城をイメージさせる印象的な校舎で、生徒たちは伸び伸びと学校生活を送っています

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