受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

ドルトン東京学園中等部

2024年10月23日(水)

「自由」と「協働」をキーワードに学習者中心の教育を行う「ドルトンプラン」を実践

 2019年に東京都調布市に開校したドルトン東京学園中等部・高等部は、アメリカの教育家ヘレン・パーカーストが1908年に提唱した「ドルトンプラン」を教育の基盤としています。この日、あいさつに立った校長の安居長敏先生は、「ドルトンプランの特徴は、『自由』と『協働』という二つの原理に基づき、『学習者中心の教育』を実践していることです。本校は、生徒の探究心や創造力を育てながら個性を最大限に伸ばす、『自分の学びを自分でつくれる学校』をめざしています」と述べました。

 続いて、副校長の布村奈緒子先生が、ドルトンプランを支える三つの柱である「アサインメント(Assignment)」「ラボラトリー(Laboratory)」「ハウス(House)」について説明しました。最初の「アサインメント」は学習意欲を高め、学びを深めるための仕組みです。各教科では、各単元の最初の授業で、学習の目的・到達目標・スケジュール・手順などが示されます。生徒はそれぞれ自分に合った学習計画を立てて、自律的に学びます。たとえば、理科では一人ひとりが自分の興味・関心に基づいて自由に探究テーマを決め、学習を進めます。生徒たちは同じ教室にいながら、それぞれ異なる内容を異なるペースで学んでいるのです。それができるよう、同校では、どんな生徒も自分が興味を持ったことをとことん追究できる、フレキシブルで充実した環境を整えています。この日は、その一例として「深海魚」をテーマにしたアサインメントで「地学」「圧力」といった別の分野・単元や、上級学年で扱う単元の学習に意欲的に取り組んだ生徒のケースが紹介されました。

 二つ目の「ラボラトリー」は、アサインメントを実践する場所と時間です。学年に応じたテーマに取り組んで探究のスキルを養う「基礎ラボ」と、個人の興味・関心の幅を広げ、深める「探究ラボ」から成ります。「探究ラボ」の一つ「テーマラボ」では、自作のロケットを飛ばす「ロケットラボ」、校内でスマートストアを運営する「ランチ改善ラボ」など3か月を1タームとする多彩なテーマを設けています。もう一つの探究ラボ「オフィスアワー」は生徒が独自にテーマを設定して学ぶ自由な時間です。

 そして、「ハウス」は中高6学年を縦割りにしたコミュニティーです。同校では通常の授業は同学年の生徒で構成する学習グループ「LG」単位で、それ以外のことはハウス単位で行います。その狙いは異学年同士の交流を図って社会性や協働力を培うことにあります。体育祭や文化祭などの行事は全校生徒を「D・A・L・T・O・N」の六つに分けたビッグハウスごとに、昼食や掃除はビッグハウスをさらに4分割したスモールハウスごとに取り組みます。布村先生は「上級生と下級生がきょうだいのように仲良くなります。中3以上はハウス替えがなく、担任も代わらないため、生徒の成長を長い目で見守れることも利点です」と話します。

 国際教育にも熱心です。英語の授業は習熟度別に三つのクラスに分かれて行いますが、1クラスはネイティブ教員がオールイングリッシュで、ほかの2クラスは日本人とネイティブの教員によるチームティーチングで進めています。また、全員参加の海外研修には中3のオーストラリア研修、高1のアジア研修があり、希望制プログラムにはシリコンバレー研修や韓国国際交流などがあります。布村先生は「本校ではこうした機会を通して見聞を広めることを推奨しています。その成果として、第1期生以降、文部科学省が展開する海外留学支援制度『トビタテ!留学JAPAN』の選考を突破して短期留学に挑戦する生徒が毎年、複数名ずついます」と強調しました。

 最後に2025年度入試について説明がありました。一般入試は2月1日午前に4科型・2科(英語資格)型、1日午後に特待型、2日午前に4科型・英語型・思考表現型、2日午後に理数特待型、4日午前に2科型がそれぞれ実施されます。帰国生入試にはニューヨーク会場で行うもの、海外からオンラインで受験できるもの、国内(本校)で行うものがあります。詳細については、最新の募集要項をご確認ください。

イメージ写真 2022年秋に新STEAM棟が完成、2023年10月にドルトンインターナショナルの正式な加盟校として認定されました

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