受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

湘南学園中学校

2024年10月23日(水)

異文化を理解する多彩なプログラムが再始動。「湘南学園ESD」で豊かな人間力を培う

 湘南学園は神奈川県藤沢市の鵠沼海岸にほど近い、閑静な住宅街に校舎があります。「子どもたちに豊かな教育を」と願う地元有志が資金を出し合い、「個性豊かにして身体健全 気品高く 社会の進歩に貢献できる 明朗有為な実力のある人間の育成」という建学の精神の下、教員と保護者が協力して運営を行っている、特色ある学校です。1933年に幼稚園・小学校から始まり、1947年に中学校が、3年後の1950年に高校が誕生し、総合学園としての体制が確立しました。

 説明会の冒頭では、校長の伊藤眞哉先生があいさつに立ち、同校の教育の主軸となる「湘南学園ESD」について説明しました。ESD(Education for Sustainable Development)は「持続可能な開発のための教育」の訳で、「湘南学園ESD」は、地球上のさまざまな社会問題や環境問題を「自分事」としてとらえ、それらを解決する「持続可能な社会の創り手」を育てる教育活動を指しています。

 その主軸となっているのが、中高6年間を通して、段階的に社会とのつながりを学ぶ総合学習です。中学から入学した生徒が小学校からの内部進学生と合流する中1では、まず自分も他者もかけがえのない存在であるという認識を培います。中2では、湘南地区で仕事や活動をする人たちとの触れ合いを通して、身近な地域について理解を深めていきます。中3では、自分とは異なる地域に住む人たちのものの見方や考え方に触れ、「持続可能な未来」について考える土台を育てていきます。さらに高校では、対象を全国、そして海外まで広げて、問題意識を持たせるとともに、それらを解決する力を養っていきます。高3では、自分が望む未来について、保護者や卒業生に向けてプレゼンテーションを行います。実社会に生きる人々の意見や感想を聞くことは、豊富な学びの機会となっています。

 最後に伊藤先生は、「卒業後の進路は多様化しており、教科の力だけでは現在の大学入試に対応できないと考えています。本校でも、2025年度より高2・3での文理分けをやめ、選択授業を増やしていきます。また、Sクラス(選抜クラス)も廃止します。点数主義から脱却し、探究型の授業を充実させていく方針です」と話しました。

 続いて、サピックスOBのMさん(高1)が登壇し、スライドを使って学校生活についてプレゼンテーションをしました。Mさんは「3年前、ぼくが受験をした回試の実質倍率は8倍を超えていました。合格を知った瞬間はこれまでの努力が報われたという気持ちになり、とてもうれしかったです」と話します。現在は、サッカー部で活動する一方、新入生歓迎委員や学園祭実行委員も務め、充実した学校生活を送っています。「仲間と協力して一つのものをつくり上げるのは大変なこともありますが、6年間を通して夢中になれる何かに取り組んでいきたいと考えています。勉強、部活動、委員会活動の三つすべてで結果を残すためには、目標を明確にすることが大切です。それに向かってまっすぐ向き合える人でありたいと思います」と力強く語ってくれました。発表後は、保護者から「男女共学では、男子は元気のいい女子に押されてしまうのではないか?」「小学校からの内部進学生とのかかわり方は?」などと、さまざまな質問が寄せられました。Mさんは、「元気のいい女子は多いが、遠慮なく意見が言える関係です」「内部進学生とはグループ活動を通してすぐに仲良くなれます」などと、一つひとつの質問にていねいに答えてくれました。

 最後に、入試広報主任の斉木翔平先生から、2025年度入試について説明がありました。日程と募集人員に変更があるほか、「湘南学園ESD入試」の内容にも変更があるということです。詳細は学校ホームページに掲載されている最新の募集要項をご確認ください。

イメージ写真 カフェテリアは、卒業生の保護者が立ち上げたNPO法人「湘南食育ラボ」によって運営されています。地元の食材を使った手作りの温かい食事を提供しています

www.shogak.ac.jp/highschool/ 別ウィンドウが開きます。

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