受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

神奈川学園中学校

2024年10月18日(金)

実体験を重視した学びで、世界的な視野を持った“自立した人”を育てる

 神奈川学園中学・高等学校は、1914年に設立された横浜実科女学校を前身とする完全中高一貫の女子校です。創立者の佐藤善治郎が掲げた「女子に自ら判断する力を与ふること」「女子に生活の力量を与ふること」という建学の理念の下、生徒の可能性を引き出す人間教育を行っています。

 この日の説明会であいさつに立った校長の及川正俊先生は、「本校では、教員が生徒一人ひとりに寄り添いながら、『生徒自身が学校生活をつくること』を応援しています」と述べました。続けて、学校独自のプログラムにより、生徒たちの多様な体験活動を推進していることについて、「調べ、考え、判断する力と、世界的な視野を持った“自立した人”を育てたいと考えています」とその狙いを語りました。

 次に、入試広報委員で、中3の学年主任も務める木立有紀先生が学校生活について説明しました。中学では「2人担任制」を採用して複数の目で生徒を見守ります。一方、生徒は自分自身で学習計画を記入する「Diary」を活用して学習面での自立をめざします。学びを支える環境も整備されています。大学生のメンターが常駐する放課後自習室「アカデミック・ハブ」も設置され、中学生は夜7時まで、高校生は夜8時まで利用できます。

 今年度から、SNSアプリで昼食を注文できる「スクールランチ」を取り入れたこと、高校に続いて中学の制服にもスラックスが導入されたことも紹介されました。木立先生は「三大行事である球技大会・文化祭・音楽会は、自分の思わぬ才能や、将来の進路を発見する場にもなっています」と話し、伸び伸びと毎日を過ごす生徒たちの姿を伝えました。

 具体的な教育内容の説明は、入試広報室長の藤澤里悠太先生が担当しました。数学や理科に力を入れている同校では、近年、理工系・医歯薬系の学部・学科への進学率が約4割に達しています。理科では「実感を持った学び」を重視し、1人1台のノートパソコンを駆使して多くの実験に取り組みます。一方、数学ではオリジナルテキストを使用し、中2から習熟度別授業を行って生徒の学ぶ意欲を引き出しています。この日の説明会では、保護者の方向けに、高1の授業で行われた「エジプトのロープ占い」を体験する時間が設けられました。6本のロープを使って「確率」の考え方に触れた参加者は、楽しい授業の雰囲気を知ることができました。

 「国際・英語教育」についても詳しい説明がありました。同校では、中学3年間の英語の授業に4技能をバランス良く伸ばす「KG流ラウンドシステム」を取り入れています。「これは、1冊の教科書を年間に4回繰り返して学び、発話を促す『ラウンドシステム』による授業と、文法的な要素を固める授業をハイブリッドで行う学習法です。このシステムを導入してから、生徒の『もっと英語で会話ができるようになりたい』という気持ちが非常に高まっています」と藤澤先生は話します。

 積極的に英語を使う語学研修や国際交流プログラムも多彩で、中1のTGG(東京グローバルゲートウェイ)研修、中2の国内英語研修のほか、中3では全員参加のオーストラリア海外研修が実施されています。高校でも校内英語研修が行われるほか、希望すればターム留学やカナダ研修の機会も得られます。藤澤先生は「今年度の中1から、英語の習熟度別授業がスタートしました。入学時は取得資格を基にクラス分けを行いますが、その後の定期試験の結果に応じてクラス変更もあります。英語初心者の生徒たちも前向きに取り組み、次々に上位クラスに移っていく者もいます」と結びました。

 2025年度入試では、新たに「英語資格入試」と「国算1科入試」が実施されるとのことです。詳細については、学校ホームページの募集要項をご確認ください。

イメージ写真 「ラーニングセンター」と呼ばれる図書室は、放課後には自習室の役割も果たします。今年度より、読書を通じて学力を伸ばす「リーディング・プログラム」もスタートしました

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