受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

公文国際学園中等部

2024年10月9日(水)

自由な校風の下、「自ら学び、考え、判断し、行動する」生徒を育てる

 公文国際学園は、公文式教育の創始者・公文公(とおる)によって1993年にまず中等部が設立されました。高等部が設立され、男女共学の完全中高一貫校となったのは3年後の1996年です。横浜市戸塚区の緑豊かな場所にキャンパスを構え、自由な校風の下、生徒の可能性を最大限に伸ばす教育を行っています。

 この日の説明会の冒頭では副校長の公文晶子先生があいさつに立ち、「本校は、公文式学習を取り入れている学校ですが、授業内では取り扱いません。公文式学習は自分のペースで進めていくので、小学校で公文式学習の経験がなくても、中等部から取り組めば確実に力がつきます」と述べました。

 続いて、広報担当の亀井圭太郎先生が、学園の概要について説明しました。同校では、「学校」「寮」「公文式」を教育の三本柱と位置づけ、「自ら学び、考え、判断し、行動する」生徒を育てる方針です。亀井先生は「自立した18歳として生徒が本校を卒業できるよう、しっかり教育しています」と話します。

 校則や制服はなく、「生徒憲章」によって、生徒の自由と自律が定められています。行事は生徒たちが企画立案から携わります。たとえば、中3で実施する研修旅行「日本文化体験」では、テーマや行き先、旅行会社の選定、関係業者とのやりとりなどを、すべて生徒が行います。校内でのプレゼンテーションを経て、最終的に6コースに行き先を絞り、各コースで事前学習を十分に行ったうえで、現地に向かいます。また、毎年10月に開催される表現祭(文化祭)は、一人ひとりが表現をする場として位置づけられています。

 学習面では、主体的に学ぶ姿勢を養うため、公文式学習を取り入れています。毎朝、授業前の20分間、「朝学習」に取り組むほか、週に1度、「放課後教室」が開講されています。通常の公文式学習とは異なり、同校独自のiPadによる学習により、その日のうちに採点され、答案が返却されるシステムです。中等部では公文式学習に毎日取り組み、学習習慣の確立を図っていきます。

 今年度からは中間テスト・期末テストを廃止し、代わりに小テストを充実させました。生徒たちは日々の学習を振り返り、改善し、発展させています。また、試験問題を解く学力をつけるだけでなく、「自ら学び、考え、判断し、行動する」力を養うことを目的とした特別講座「Re-Day」を月1~2回開講しています。「Re-Day」の「Re」には、「Revise(見直す)」「Research(研究する)」「Review(再確認する)」など学びにつながるさまざまな意味が込められており、学校は生徒が主体的に学べるよう後押ししています。

 敷地内には男子寮と女子寮が併設されており、全校生徒のうち約2割がそこで生活しています。さまざまな個性を持つ生徒同士が寝食を共にすることで、生活面での自律と自立が促され、協調性や他者を理解する姿勢なども育まれると、同校では考えています。門限は午後7時で、夜には毎日約2時間の学習タイムを設けているため、自学自習の習慣づけにも役立っているとのことです。中1では、自宅から通学する生徒を対象とした「寮体験プログラム」があり、希望すれば4か月間入寮して、集団生活を経験できます。

 国際教育にも力を注ぐ同校では、校内で公文国際学園模擬国連(MUNK)、英語版公文国際模擬国連(MUNKI)を実施しているほか、オランダやシンガポールで開催される海外模擬国連(MUN)にも毎年参加しています。2024年度の高2の研修行事は、ニュージーランドコース(マッセイ大学)、大分コース(立命館アジア太平洋大学)、シンガポールコース(シンガポール国立大学)のいずれかを生徒が選択し、現地の大学生とディスカッションやフィールドワークを行うというものでした。なお、2025年度より「世界探究」として行き先が変更されます。希望者を対象としたオーストラリアへの海外語学研修、ニュージーランドへのターム留学もあり、生徒が英語学習や国際問題に深い関心を持つきっかけとなっています。

イメージ写真 JR「大船」駅から直通バスで約8分の場所にある広大なキャンパスには、夜間照明の付いたグラウンド、ビーチバレーコート、温水プールなどもあります

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