受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

横浜雙葉中学校

2024年10月10日(木)

「人と世界、未来をつなぐ」をモットーに豊かな体験を中心とした教育を実践

 横浜雙葉中学高等学校は、「徳においては純真に 義務においては堅実に」を校訓に掲げる女子のミッションスクールです。フランス発祥の女子修道会「幼きイエス会」のシスターたちが1900年に開設した横浜紅蘭女学校を前身とする同校は、カトリックの価値観に基づいた、高い知性と豊かな感性を持つ女性の育成に取り組んでいます。

 横浜のはまぎんホールで行われたこの日の説明会の冒頭、教頭の佐藤亙先生は「人と世界、未来をつなぐ」という学校目標を紹介し、同校の教育の特徴について「学力を伸ばすこと以上に、生徒たちに豊かな体験を提供することに力を入れています」と説明しました。

 たとえば英語は、日本人専任教員8名、ネイティブ専任教員4名、非常勤講師8名の20名体制で手厚く指導します。中1・2では1クラスを2分割して少人数制授業を行い、中3からは習熟度別授業で学習効果を高めています。座学で培った英語力を発揮する場を多く設けているのも特徴です。その代表的なものとして佐藤先生が挙げたのは、隣接するサンモール・インターナショナルスクールの生徒との交流や、シンガポールやマレーシアにある姉妹校を訪問するツアー、アメリカ有数の女子大であるスミスカレッジで行われる夏期英語研修、カンボジアを舞台としたスタディツアーなどです。さらに来年1月からは、中3の希望者から2名を選抜し、オーストラリアの学校に3か月派遣する特別研修を開始する予定です。佐藤先生はこうした交流や研修ツアーの狙いについて「通常授業と国際交流の相乗効果で、実践的な英語力を高めてほしいと考えています」と話しました。

 理科の授業では、自分で作った模型を使い、地震の際の力の伝わり方を調べたり、岩石を割って中の様子を観察したりします。意欲のある生徒には放課後理科実験教室が開講されます。ほかにも、専門家を招いて行う教科融合型の特別授業など、生徒の知的好奇心を刺激する試みが多数設定されています。

 こうした教科学習と並行して力を入れているのが、学校目標「人と世界、未来をつなぐ」を実践する総合学習・探究学習です。中1から段階的に調査や発表の方法を学び、高2で本格的な探究活動に入ります。探究の流れやその目的を共有するため、若手研究者による講演会もたびたび開催されます。その狙いについて、佐藤先生は「若手研究者のなかには本校の卒業生もいます。先輩に研究の目的やテーマ選定のポイントを教わると、生徒は高い目的意識を持って探究活動に取り組むようになります」と話します。

 また、同じカトリック校である上智大学や、医療研究に強い北里大学との高大連携も盛んで、研究室訪問などを通じて、生徒たちは日常的にアカデミックな学びに触れています。

 こうした取り組みは、生徒の希望進路実現にもつながっています。2024年度は、25人が東京大学の理科Ⅲ類を含む医学部医学科に合格したほか、学校推薦型選抜を使って、東北大学や東京工業大学、名古屋大学といった難関の国公立大学にも合格者を出しました。なかでも名古屋大学に進んだ卒業生は、建築に関心があるという理由で、当初から同大学の工学部を志望していました。高2の探究活動のなかで生物模倣技術の建築について考察を深め、その実績が合格の決め手となったそうです。佐藤先生は「探究活動によって生徒が自己実現できたことを、とてもうれしく受け止めています」と目を細めました。

 最後に、広報部長の吉田敦子先生から2025年度中学入試について説明がありました。一般入試は、例年と同様、2月1日と2日の2回実施し、出題傾向にも大きな変更はないそうです。吉田先生は「どの教科も、広い分野からまんべんなく出題するのが本校の特徴です。過去問を学校ホームページに掲載しているので、出題傾向をしっかり確認したうえで挑戦していただければと思います」と締めくくりました。

イメージ写真 生徒たちは、ありのままの自分が受け入れられていると実感し、さまざまなことにチャレンジして自分の可能性を広げています

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