受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

足立学園中学校

2024年10月10日(木)

社会への貢献を意識させるプログラムが充実。「志」を持って進路を切り開く人間力を育てる

 足立学園中学校・高等学校は、JR、東京メトロ、つくばエクスプレスが乗り入れる「北千住」駅から徒歩1分という、通学に便利な場所にキャンパスがあります。「足立の地に男子中等教育の場を」という地元の要望に応えて、医師である堀内亮一氏を中心とした22名の有志によって、1929年に創立されました。教育目標に「自ら学び 心ゆたかに たくましく」を掲げ、志を持ち、みずから将来を切り開いていく「人財」の育成をめざしています。

 同校では、創立以来受け継がれてきた建学の精神「質実剛健 有為敢闘」の実現に向けた改革を推進しています。「志共育」の一部として職業体験・保育園実習・福祉体験、足立区や助産師の協力を得て「紳士教育(いのちの授業)」も実施します。さらに、高校では松下政経塾と提携した志探究プログラムにも参加します。このように成長段階に応じた講演会や体験学習を充実させ、生徒たちが主体的に進路を選択できるようにしています。この日の説明会で、副校長の瀬尾匡範先生は「中高の6年間は、進路を定め、その実現に向けて努力する時期です。とはいえ、目的のない勉強に意味はありません。わたしたちが生徒に伝えたいのは、『志』を持って将来を思い描くことの大切さです。自分がかなえたい『夢』から、社会をより良くするために自分はどのように役立てるかを考える『志』へと発展させるために、広い世界に目を向け、社会が抱える問題を肌で感じる機会を豊富に与えているのは、人としての基盤をしっかりと築いてほしいからです」と述べました。

 中学では、入試の成績によって「特別クラス」「一般クラス」の二つに分かれます。「特別クラス」は難関国公立大学や海外難関大学への現役合格を目標としたクラスで、特別奨学生入試の合格者と、特別奨学生入試を受験して奨学生にはなれなかったものの、特別クラスに合格した成績上位者、そして一般入試の成績上位者で編成されます。入試広報部部長の相澤智子先生は「取り組む演習の難度やボリュームに差はあるものの、カリキュラムや授業の進度はそろえているので、成績が上がった生徒は、進級時に一般クラスから特別クラスに移ることも可能です」と説明します。いずれのコースも、中2以降の英語・数学の授業は習熟度別に少人数制で行われます。主要教科の単元テストや定期考査で成績が振るわなかった生徒には、補習や追試が課されます。ICT教育の拡充にも積極的で、生徒たちは全員がタブレット端末を所持し、日々の授業に活用しています。2020年3月には国内の中学・高校として初めてMicrosoft Showcase Schoolの認定校となりました。

 高校では、難関国公立大学・海外大学進学を視野に入れた「探究コース」、難関私立大学進学を目標とする「文理コース」、得意分野で大学合格をめざす「総合コース」の3コース制になりますが、中学からの内部進学生のほとんどが「探究コース」または「文理コース」に進むそうです。

 夏休みには全員が参加する無料の講習があり、中1から高1までは英・数・国の必修講座を、高2・3は、進路に応じた選択制の講座をそれぞれ受講します。放課後には中学生を対象として週2回、「学力ジャンプアップ講座」が開かれます。これは同校OBの大学生・大学院生による数学・英語のサポート授業で、理解度に応じた指導が受けられます。

 グローバル教育にも注力しており、ホームステイをしながら現地校での授業を体験する「オーストラリア・スタディツアー」は中1から参加が可能です。オックスフォード大学特別留学やオーストラリアターム留学(高1の希望者対象)の機会もあります。そのほかに、ラオスやタンザニアを訪れるプログラムがあるのも特徴です。相澤先生は「現地の生活や異文化に触れ、開発途上国が抱える社会問題を知ることは、地球の一員として自分は何ができるのかを考えるきっかけになり、貴重な経験といえます」と説明しました。

イメージ写真 武道場や屋上テニスコートを完備した体育館など、設備面も充実しており、高校には全国レベルで活躍する部も多くあります。約300席を有する自習室は朝7時から夜8時まで(中学は夜6時まで)利用でき、ほぼ年中無休で開放されています

www.adachigakuen-jh.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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