受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

明法中学校

2024年10月2日(水)

2025年度から中学も共学化。伝統の少人数教育で21世紀型スキルを養う

 1964年に開校した明法中学・高等学校は、建学の精神に「この世に生を受けたことに感謝し、知性を磨き、よい習慣を身につけ、社会のため、国家のため、人類のために役立ち、世界平和に貢献できる人間を育成すること」を掲げています。今年で創立60周年を迎えました。長く男子校でしたが、2019年度に高校が共学となり、中学校も2025年度から共学化されます。

 オンラインで開催されたこの日の説明会の冒頭、校長の岡田貴之先生は、「本校は『新たな価値を見出す創造性』を大切にしています。何が正解かわからない世の中をしっかり生き抜く力、本質を見抜く力が大事だと考え、自分にしかできないことを身につけるために、さまざまな分野に挑戦する生徒を全力で後押ししていきます」と強調しました。また、冒頭の建学の精神に触れながら、「生徒には『共感する力』や、『他者のために何ができるか』という考えを持ってほしいと考えています。そのためには、基礎学力・創造的思考力・感性・価値観を養うことも大切です。共感力の高い仲間と温かみのある教員、伝統の少人数制教育で、人間的なつながりを大切にしながら育てていきます」と結びました。

 次に、教頭の新井一騎先生から教育内容について説明がありました。同校では四つのC(Creativity, Communication, Critical Thinking, Collaboration)から成る21世紀型スキルの育成をめざし、中学では「4Cプログラム」を実践しています。これは教科横断的な学びを取り入れたオリジナル教科で、プログラミングを学ぶ「サイエンスGE(Global Endeavors)」と、「世界に挑む日本人」を育成する「GSP foundation(Global Studies Program foundation)」とがあります。サイエンスGEでは、情報リテラシーやロボットの基礎プログラミングを学ぶことからスタートし、協働して科学実験の成果をPCで分析します。また、デザインした立体模型を3Dプリンターで作成し、学外のロボット大会にも挑戦します。一方、GSP foundationでは、高1での約3か月のターム留学(カナダ)をめざし、発信型の英語力やチャレンジ精神、協調性、そして多様性を尊重する心を身につけます。まず、中1では全員がサイエンスGEとGSP foundationを週1コマずつ学び、基礎を習得します。中2から高1まではいずれかを選択し、継続して学びます。

 常勤教員1人当たりの生徒数が14人という少人数教育も同校の特徴です。学習習慣を確立し、基礎学力を定着させるためのフォローとして週末課題を出し、翌週に行う小テストで理解度を確認します。さらに、敷地内にある学習施設「明法学院ハウス」で放課後学習会(テラコヤ)も実施されています。

 本物に触れるSTREAM教育(STEAM教育にRoboticsのRを加えたもの)も大切にしています。たとえば科学分野については、理科専門棟で行われる豊富な実験・観察を通じて「自分で考え、仲間と話し合い協力する体験」を繰り返し、本当の意味での理解を深めます。また、器楽の授業では中学3年間、5人のプロ演奏家から演奏法を学び、明法祭(文化祭)でオーケストラの一員として演奏します。専門家の指導の下、協働力や問題解決力を高めるために行う「PA(プロジェクト・アドベンチャー)」も導入しています。

 高校は「特別進学クラス」と「総合進学クラス」の2コース制で、中高一貫生と高校からの入学生との混合クラスが編成されます。高2からは「国公立大進学コース」と「私立大進学コース」に分かれます。本校舎地下にある「学習道場」にはチューターが常駐しており、自習室として利用できます。進路指導は、3名の進路指導専属教員と4名の進路アドバイザーが担当しているそうです。

 最後に、女子の募集が始まる2025年度入試について入試広報室長の敷地将史先生が説明しました。「試験は、2月1日午前・午後、2日午前・午後、5日午前の計5回です。2科・4科選択入試、適性検査型入試、算数と国語の2科またはいずれか1科を選択する入試を実施します」とのことでした。

イメージ写真 東京ドームの1.2倍の広大なキャンパスには、蔵書約3万5000冊の図書館、講堂、音楽棟、理科4分野の実験室・講義室を備えた理科棟などの施設が充実しています

www.meiho.ed.jp/  別ウィンドウが開きます。

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