受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

順天中学校

2024年9月17日(火)

進学教育・国際教育・福祉教育を三本柱に、国際社会で活躍できる人材を育成

 北区の王子にある順天中学校・高等学校は、1834年に和算家の福田理軒が創設した「順天堂塾」を起源とする共学の進学校です。「自然の摂理に従って真理を探求する」という意味の「順天求合(じゅんてんきゅうごう)」を建学の精神としています。現在、北里大学を設置する学校法人北里研究所との法人合併をめざして協議が進められており、同校は、2026年度から北里大学の付属校になる予定です。

 この日の説明会は、学校紹介動画の上映からスタートしました。同校の学びは「系統学習」「探究学習」「統合学習」の三つで構成されています。中学では、英語・数学・国語の3教科の目標を最難関大学合格に置き、基礎から応用へと体系的に進んでいく「系統学習」を行っています。さらに生徒同士の学び合いや、学習意欲を高める指導なども取り入れ、習熟度の向上を図っています。

 一方、理科・社会では、フィールドワークや実験などを通して、みずから課題を発見・解決する力を身につける「探究学習」を導入し、思考力や表現力を培います。芸術・技術家庭・保健体育・道徳の4教科では、福祉や国際活動と関連させた「統合学習」を実践しています。保育園や高齢者施設へのプレゼントを作ったり、国内外でのボランティアや映像制作に挑戦したりしますが、これらは人と人との交流を考える機会となっています。

 続いて、教育支援センター長の片倉敦先生が登壇し、教育内容について話しました。片倉先生は「グローバル化が進み、変化の多い現代においては、生涯にわたって学び続ける力が必要です。求められるのが『創造的学力』『国際対話力』『人間関係力』です」と説きました。同校では、これらの資質・能力を育てるために「福祉教育」「国際教育」「進学教育」を三本柱としています。特に福祉教育に力を注ぎ、ボランティアやSDGs活動などを通して幅の広い人間づくりをめざしています。その対象は国内にとどまらず、「ザンビア女性の貧困と生理の問題」「カンボジアの教育問題」など、国境を超えた、さまざまな課題に取り組んでいます。そのため国際教育にも熱心で、国内外の学校との合同勉強会を頻繁に実施しています。また、ニュージーランド研修(中3の希望者対象)をはじめとした海外研修や留学の制度も早くから整えてきました。生徒に実践的な語学力と国際感覚を身につけさせるためです。そうした活動が評価され、2014年からは、高校が文部科学省のスーパーグローバルハイスクール(SGH)に指定されています。

 進学教育においては、まず中学では系統的な学びにより基礎を固めます。高校では、それぞれが目標とする進路に応じてクラスを編成します。中高一貫生の多くは「一貫選抜類型」に進みますが、希望すれば、高校からの入学生との混成クラスである「理数選抜類型」や「英語選抜類型」も選択できます。どの類型でも『チーム順天』による万全のサポートできめ細かい進学指導を行っています。

 こうした教育の成果として大学進学実績は堅調です。2024年3月は卒業生の53%が国公立大学、早慶上理、GMARCHに進学しています。また、卒業時までに57%が英検®2級以上を取得していました。同校が北里大学の付属校になることについては、「北里大学は医学部、薬学部、理学部など9学部を有する医療・生命科学の総合大学です。付属校になれば、本校からの内部推薦もあるでしょう。医療分野やデータサイエンス分野などへの進学をめざす生徒にとって進路の選択肢が大きく広がります」と片倉先生は説明しました。

 最後に、教頭の井上慶彦先生から入試について説明がありました。2025年度は募集定員を90名から120名に増員するとのことです。また、2月4日の多面的入試の実施時刻が午後から午前に変更になります。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 3階にある「理軒館」にはグループワークなどに利用されるラーニングコモンズ、セミナールームなど多彩な学習スペースがあります

www.junten.ed.jp/contents/ 別ウィンドウが開きます。

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