受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

東京電機大学中学校

2024年9月25日(水)

理科・情報・探究を柱に、体験を重視した学びで生徒一人ひとりの個性と適性を引き出す

 工学部や未来科学部、システムデザイン工学部など5学部を設置する東京電機大学は、「実学尊重」という建学の精神の下、技術で社会に貢献する人材を育成する理工系大学です。その系列校である東京電機大学中学校・高等学校では、理科・情報・探究の三つを柱に、机上の学習だけではなく、体験を重視した教育プログラムで生徒一人ひとりの個性と適性を引き出しています。

 説明会の冒頭、あいさつに立った校長の平川吉治先生は、校訓「人間らしく生きる」に触れ、「正解のないこれからの時代に、生徒一人ひとりが自分の意思で進むべき道を選択し、生きることだと考えます。それを実現するために、本校の教員は生徒の夢や希望を尊重し、応援しています」と話しました。

 続いて、中学教頭の磧谷和樹先生から教育内容について説明がありました。中学では1クラス約30名の少人数制で、きめ細かい指導を行っています。中高6年間を3期に分けた中高一貫教育を実施し、まず中1・2については基礎力養成期と位置づけ、自立学習を確立させます。中3・高1では習熟度別クラスを設けて効率的な授業を展開します。そして、高2からはクラスが文系と理系に分かれます。高3ではたくさんの自由選択科目が開講され、生徒は希望する進路別に、演習中心の授業を受け、志望大学合格をめざします。例年、学内推薦で東京電機大学に進学する者は2割程度です。8割は他大学を受験しますが、国公立大学については東京電機大学への被推薦権を持ったまま受験できるそうです。

 続いて磧谷先生は、特色ある学びとして「理科教育」「情報教育」「体験学習」の三つを挙げました。まず「理科教育」では「実物に触れること」を重視しており、中1から高2までの5年間で100種類以上に及ぶ実験や観察を行います。物理・化学・生物・地学の4分野すべてにおいて、自然科学本来の魅力を伝える工夫がなされています。加えて、実験器具を手作りする機会も多く、中学の物理分野では、生徒は実験器具や試料を自作し「実験BOX」に保管します。この取り組みには、生徒たちが「それぞれの器具には、必要な仕様や仕組みがあること」を理解し、物への興味を深める狙いがあるそうです。また、試行錯誤を繰り返しながら主体的に手を動かすことによって、物づくりのセンスも磨かれます。アクティブラーニングにもつなげています。磧谷先生は「本校には理科の専任教員が11名在籍しているため、準備に手間と時間がかかる授業も実現できるのです。安全性への配慮や、生徒へのサポート体制も万全です」と強調しました。

 中学開設時から情報教育にも注力しており、コンピュータ室を活用しているほか、現在は生徒全員がタブレット端末を1台ずつ所有しています。情報教育の授業では「表現力を鍛えること」を目標としており、生徒は中1からプログラミングの基礎を学んで教育用ロボットを動かす実習に挑みます。それを通して自分のアイデアが実現する感動や、人を楽しませる喜びを体験するのです。そして、高校に進むと、高水準汎用プログラミング言語「Python」によるプログラム演習にも取り組みます。

 「体験学習」は探究学習の一環として行われています。学校行事をはじめ、宿泊行事・校外学習・国際交流プログラムなどとも連動して、教科横断的に学ぶ機会を設けています。各行事の前後の授業には「課題認識→情報収集→分析・思考→まとめ・表現→新たな課題認識」というサイクルを組み込んでいるそうです。磧谷先生は「多くの体験学習を実施しているのは、生徒たちに『自分のやりたいこと』を見つけるきっかけにしてもらいたいからです。『失敗をしても何度もチャレンジし、工夫して課題を乗り越える経験を積み重ねてほしい』という願いを、教員全員で共有しています」と結びました。

イメージ写真 JR中央線「東小金井」駅から徒歩5分。ロングパイル人工芝のグラウンド、体育館アリーナ、サブアリーナ、トレーニングルームなど充実した運動施設に加え、約6万冊の蔵書を誇る図書館も備えています

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