受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

神戸女学院中学部

2024年9月1日(日)

礼拝がいちばんの教育の場
先輩の話から生き方を考える

 米国から派遣された2人の女性宣教師が開校した私塾をルーツに、1875年に開校した神戸女学院。2025年に創立150周年を迎えます。部長の森谷典史先生は「自信を持ち、自由で自立した教養豊かな女性を育てるという創立時の理念は変わりません」と、これまでの歴史を振り返りつつ、建学の理念と教育方針を紹介。キリスト教に基づいた人格教育と、国際理解の精神を実践するための英語教育に力を入れていると説明しました。

 続いて、ドローンを使って上空から撮影した動画で西宮市岡田山に広がるキャンパスを見ていきます。緑豊かな敷地に点在する12の校舎群は、名建築家W.M.ヴォーリズが設計したもので、2014年に国の重要文化財に指定されました。生徒たちは美しい校舎の中で日々の学校生活を送っています。

 そんな同校の一日は、毎朝8時30分からの礼拝で始まります。暗誦聖句(聖書のことばの暗唱)や讃美歌に続き、牧師や先生などさまざまな人の話を聞く時間を設けているのが特徴です。「1年間で180人、6年間で1000人以上のお話を通して、自分はどう生きればいいのか、何をなすべきなのかを生徒たちは繰り返し問われます。やがて一人ひとりが自分自身の答えを見つけ、学校生活で実践していきます」。特に生徒の心に響くのが先輩の話で、行事のリーダーを務めた先輩、外部の大会で賞を取った先輩の経験談や熱いメッセージを聞いて、「自分もあの先輩のようになりたい」「自分も壇上に立って話をしたい」と目標を持つようになるそうです。「この礼拝が本校のいちばんの教育の場です」と森谷先生は強調しました。

国際理解を深める英語教育
学校行事は生徒がつくり上げる

 特色ある英語教育は、80年以上前に同校のアンジー・クルー先生が体系化した「クルー・メソッド」に基づいて実践しています。赤ちゃんが英語を母語としてマスターするように学習を進めていくため、授業はオールイングリッシュです。中1生にはまず発音指導を徹底。独自の発音記号カードを使って、英語を正確に聞き、発音する力をつけることから始めます。

 数学は先取り学習を行い、中2の1学期までに中学内容を終え、高1の終わりまでに高校内容を終了します。高2で総復習、高3で大学受験に向けたハイレベル演習を行うカリキュラムを組んでいます。

 年間行事を生徒主体で企画・運営するのも同校の特徴です。新中1を歓迎するデイキャンプ、体育祭や文化祭といった行事を1年がかりで準備し、終了後にはリーダーを務めた生徒が礼拝でみずからの思いを後輩に伝えるのが恒例です。

 来年度の入試に関しては動画を交えながら説明されました。体育実技は「しっかり練習すれば半分くらいの点は取れます。大きな点差はつかないので安心してチャレンジしてください」と森谷先生は言います。卒業生の進路については、例年、理工系に3割、医学系に3割、文系に4割が進むとの説明がありました。

 最後に「神戸女学院はこれからも『愛神愛隣』という永久標語の下、自分がどう生きたいかを考え、それを実践できるように学び、経験し、信じる心を養う学校でありたい」と述べ、説明を締めくくりました。

イメージ写真

www.kobejogakuin-h.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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